Kindleを買ったらやりたいことがありました。それが「FXの勉強をすること」です。これまで2年以上FXトレードをしてきているのに、一度もFXの本を購入したことがなかったんですよね。てか、本買っても勝てるようにはならないと思ってました…。
今回読んだのは「パターンを覚えるだけで勝率7割超!FXチャートの読み方」です。
AmazonでいろんなFX本のレビューを見ていて、この本が結構いい感じに高評価だったんです。
あと、ローソク足の形から売買を判断する本だったので、すごく興味がありました。実際読んでみると、むやみにインジケーターに頼らないところがGood!
ということで今回は、この本を読んだ感想と、この本の手法を僕の過去のトレードに照らし合わせてみた際の考察と、実際にこの本の通りにトレードしてみた結果を紹介していきたいと思います。
「FXチャートの読み方」を読んだ感想
読んでいてモヤモヤ
内容の感想を書く前に言いたいこと、それは、読んでいてずっとモヤモヤしたこと。
だって著者は、自分の手法を過去のチャートに照らし合わせて、「ココがこうだからこうなって、ホラ言った通りでしょ?」「ココで買いを入れるのが妥当だったでしょう」とかドヤッてんだもん。
解説書だから過去のチャートを引っ張り出して説明するのは当たり前なのかもしれませんが、都合のいい過去チャートで解説されても、「あぁん?そんなん都合よくチャートに照らし合わせてるだけじゃん!」と軽く憤慨しました。
図書館にこもって一気に読みましたが、何度「ハァ?」と思ったことか。
まぁ、こればっかりはモヤッても仕方ないか。
すごく単純で簡単な手法「プライスアクション」
ほかのFX本がどんなものか知りませんが、たぶん移動平均線などのインジケーター使ったり、オシレーター使ったりしているんじゃないでしょうか?
しかし「FXチャートの読み方」で解説されているのは、ローソク足の形、過去のローソク足の実体・ヒゲとの関係性から、相場の方向性を判断するものです。
この本では「プライスアクション」と呼ばれていますが、この手法は欧米では有名らしく、非常に重要視されているんだとか。全然知らなかった…。
例えばコレ。
※チャートは日足
2つのローソク足の関係性から売買を判断していきます。
上昇局面で、前日の高値を更新したと思ったら急落して、終値が前日の安値より低くなった場合、下落の勢いが強いと判断して売ります。これを「弱気リバーサル」と言います。
逆に、下落局面で前日の安値を更新したと思ったら急騰して、終値が前日の高値より高くなった場合、上昇の勢いが強いと判断して買います。これを「強気リバーサル」と言います。
それぞれ急落・急騰したローソク足は、前日のローソク足をすっぽり覆っているので「アウトサイド」と言います。アウトサイドは相場が動き出す合図として認識されています。
種類はそんなに多くありませんが、このようにローソク足の関係性からトレードする手法が解説されています。
この手法の良いところは、日足チャートのローソク足だけ見ておけばいいこと。どのペアがいいとか、インジケーターをたくさん使わないといけないとか、そんなことありません。
手当たり次第たくさんの通貨ペアの日足チャートを表示させておいて、トレードチャンスが来たら「プライスアクション」手法の通りに売買すればいいだけ。非常にシンプルです。しかも日足チャートだからのんびり観察しておけばOK。
スイングトレーダー向きです。
本の序盤は相場の本質を説明
忘れてはいけないのが、本の序盤に結構いいことが書いてあったんですよね。
相場が急激に動き始めるキッカケは、損切りがほとんど。相場の方向性を決めるのもほとんど損切り。
「なるほどなぁ~」と思いました。
こういった相場の本質的なことが解説されているので、FX本を買ったことがない中級者にオススメしたいと思いました。
GMMAを利用したトレード手法
プライスアクションは、GMMA(複合型移動平均線)というインジケーターと相性がいいらしく、この2つを組み合わせたトレード手法が解説されていました。
GMMAを具体的に説明すると、短期の移動平均線(3・5・8・10・12・15)と長期の移動平均線(30・35・40・45・50・60)をただ組み合わせたもの。
これによって、短期投資家と長期投資家のトレードの方向性を知ることができ、より大きな波に乗れるようになるんだとか。
短期の流れはイワシ、長期の流れはクジラと表現されていました。
これはこれで、相場の方向性が分かるし、線と線の感覚の広さによって勢いが把握しやすいから使いやすいと思いました。本では具体的にGMMAを使った相場の読み取り方が解説されていて、まぁまぁ良かったです。
どうしても解説には“後出し感”が出てくるので、すんなりと納得できない部分もあるんですがね。
GMMAで相場を予想し、順張りを心掛け、その上でプライスアクションを判断材料としてトレードしていくイメージでした。
利確&損切りのタイミングについて説明不十分
読み終わって感じたのは、利確や損切りのタイミングについて詳しい説明が不十分なんじゃないかということ。
本の内容は全体的に、「これから上がっていく」「これから下がっていく」といった相場の方向性が主で、エントリー・決済のタイミングについては少ししか書かれてませんでした。
この辺は自分で考えてやっていくしかありません。
過去の僕のトレードに照らし合わせてみる
重要なのは、「プライスアクション」という手法が使い物になるのかということ。
そこでここからは、僕の過去2ヶ月のトレードを振り返り、プライスアクションを当てはめて検証していきます。チャートはすべて日足です。
2018/8/23のトレード:×
短期のレジスタンスラインを上抜け、上昇するところをロングで取引し、少しだけ利益を出したトレード。
トレード内容久しぶりにFX(ユーロ円)でトレードした時の戦略
プライスアクション的には、前日の高値より当日の終値が高い「スラストアップ」。要するに上昇トレンドです。このタイミングでロングしたのは別に悪くないんだけど、プライスアクションを知っていたらこんな中途半端なところではトレードしなかったと思います。
2018/8/24~27のトレード:×
三尊天井が完成し、ショートしたトレードです。
トレード内容FXトレード記録|三尊天井発見!ドル円のトレンド転換を狙い8.8pipsの利益
ピンバーかつスパイクハイの形をしたローソク足からのショートとなっており、絶対的に悪いわけではありません。ただ、GMMAは絡まっていて方向性は曖昧。トレードするタイミングではありませんでした。
2018/8/27~28のトレード:○
カップ&ハンドルが完成したのでロングを仕掛けたトレード。
トレード内容FXトレード記録|カップ&ハンドル完成!ユーロドルのネックライン突破で28.3pipsの利益
トレードした日の、前日の陽線は、前々日の陰線を飲み込んで上抜けており(アウトサイド)、プライスアクション的に強い上昇の勢いを示しています。このタイミングでロングを仕掛けたのは良い判断でした。
2018/8/29~30のトレード:○
ダブルボトムを確認しており、さらにボックス上昇突破でロングしたトレード。
トレード内容FXトレード記録|ダブルボトム形成!ドル円のボックス突破で12.6pipsの利益
チャートを見ると、上昇後に急反発しており、一見ロングすべきところではないように思われます。しかし、プライスアクション的にはトレードの前々日の陰線(母線)の高値を更新しており、ロングする場面でした。
おそらく、プライスアクション通りにトレードしていたら、すぐには利確しないので結果的に損切りになっていたと思いますが、今回の場合は納得のいく損切りになったでしょう。
2018/8/31のトレード:×
三尊天井を確認してからショートしたトレード。
トレード内容FXトレード記録|三尊天井!ユーロ円のネックライン割り込み42.3pipsの利益
トレード前日の陰線は前々日の陽線を飲み込み(アウトサイド)、さらに若干「弱気リバーサル」っぽいのでショートしていい場面のようにも思えますが、GMMA内部に突っ込んでいく動きだったので今ならトレードしません。
2018/8/31~9/3のトレード:△
四尊天井が完成し、ショートしたトレード。
トレード内容FXトレード記録|来たる四尊天井!ユーロドルのネックライン突き破り18.3pipsの利益
トレードの前日の陰線のローソク足を見ると、アウトサイドかつ弱気リバーサルを形成し、明らかに下落の勢いが強い証拠。GMMA的には線の中に突っ込んでいく動きなので、僕ならトレードしませんが、短期トレードとして見るなら良いタイミングです。
2018/9/3のトレード:×
四尊天井完成から下落後、ネックラインに一旦戻ってきたので、戻り売りショートを仕掛けたトレード。
トレード内容FXトレード記録|四尊後の攻防!ユーロドルの短期戦略は根拠に乏しく16.8pipsの損失
プライスアクション的に見ると、トレードした日のローソク足は、前日の長い陰線に収まる小さな陽線(インサイド)であり、方向性が曖昧な状態を示しています。明らかにトレードするタイミングではありませんでした。
2018/9/4のトレード:△
ネックラインが何度も意識されていることを確認してからのショートトレード。
トレード内容FXトレード記録|四尊後の攻防Part2!ユーロドル自信満々で50.2pipsの利益
GMMA的には長期でトレードするタイミングではありませんが、前日のインサイドの母線(長い陰線)の安値を更新する下落を見せているので、短期トレードだったらチャンスがありそうな場面でした。
2018/9/12のトレード:×
ペナントを下抜けたのでショートしたトレード。
トレード内容FXトレード記録|ドル円でペナント下抜けを追いかけ13.1pipsの利益
ローソク足がインサイドの時点でトレードしませんし、GMMAの短期線が長期線の上側にあるのでショートは考えてはいけない場面でした。
2018/9/17~18のトレード:×
4時間足チャートの移動平均線が意識され、さらに30分足チャートで底を固めたと判断し、ロングしたトレード。
トレード内容FXトレード記録|底を固めたユーロドル押し目狙いで58.2pipsの利益
GMMA的には短期線が長期線を明確に上抜けてようとしている動きで、ロング目線なのはOK。しかしトレードした日の陽線のローソク足はインサイドであり、トレードするタイミングではありませんでした。もっと待つべきでした。
2018/9/18~19のトレード:○
レジスタンスライン上昇突破でロングするも、米中貿易摩擦の中国報復関税が発表されて荒れ相場になったトレード。
トレード内容FXトレード記録|中国の報復関税を乗り越えディフェンス成功!ドル円で10pipsの利益
プライスアクション的には絶好のチャンスでした。なぜならGMMAは明らかな上向きで、ローソク足もアウトサイドかつ強気リバーサルでしたから。
ぶっちゃけ言うと、実際はトレードするのが少し早く、このプライスアクション通りにトレードしていたら、前々日の陽線の母線の少し下に損切りラインを設定していたはずなので、荒れ相場で損切りに遭っていたと思いますが。
2018/9/26のトレード:○
突然のスパイクハイにやられたトレード。
トレード内容FXトレード記録|ユーロドルで三尊天井完成するもスパイクハイに刈られ65.4pipsの損失
なぜ負けているのに○にしたかというと、本来ならスパイクハイが現れる前はトレードするタイミングになっておらず、プライスアクションを知っていればトレードしていませんでした。
が、その後に前日陽線の安値を更新する下落が確認でき、このタイミングでローソク足がアウトサイドかつ弱気リバーサルを形成したので、下落の勢いが強いと判断してショートすべき。さらに前々日の上に突出したピンバーは、スパイクハイとも判断でき、ダマシになっています(フェイクセットアップ)。プライスアクションではダマシこそ有効な判断材料となるので、GMMAを無視して果敢にショートしてもいいところ。
翌日以降は安値更新&高値切り下げの陰線が連続で出ており(スラストダウン)、毎日切り下げた高値付近に損切りラインを引き下げていけば、約150pips取れていました。
2018/9/27のトレード:○
スパイクハイを確認していたのでショートしたトレード。
トレード内容FXトレード記録|スパイクハイを根拠にユーロ円でショートを仕掛け42.1pipsの利益
プライスアクション的にはトレードするタイミングは1日遅れ。
前の4本のローソク足のヒゲがレジスタンスラインを作っています。また、トレードする前日の陰線がアウトサイドかつ弱気リバーサルの形なので、前日にショートしているべきでした。
2018/10/5のトレード:×
下降トレンドだったので素直にショートしたトレード。
トレード内容FXトレード記録|ユーロドルでショートしたらトレンド終了し41pipsの損失
プライスアクション的には、前々日の大きな陰線が母線となり、インサイドが続いている状況でした。方向性が曖昧だと判断できたので、トレードするタイミングではありませんでした。
2018/10/5~9のトレード:×
三尊天井が完成したのでショートしたトレード。
トレード内容FXトレード記録|ドル円の三尊天井完成を見届け無難に39.4pipsの利益
前々日の長い陽線(母線)の安値を更新しているので、下落の勢いが強いことは分かります。しかし、GMMA的には逆張りとなるので、トレードを見送るか、短期トレードを意識すべき。
実際にトレードしてみた結果
図書館で本を読み終えた後、家に帰ってさっそくトレードしてみることにしました。
いろんな通貨ペアのチャートを表示させまくり、プライスアクションを意識しながらチャンスを探しました。すると、GBPUSD、GBPCADがトレードしやすそう!
プライスアクションによるGBPUSDトレード
GMMAは少し前にトビウオ(ゴールデンクロス)が見られ、さらに直近ではイワシがクジラで跳ね返りそう(鰯喰い)なことから、ロングで仕掛けたほうが良さそうだと思いました。また、ローソク足を見ると「アウトサイド&強気リバーバル」が確認でき、上昇の勢いが強いことが分かりました。ロング!
損切りラインはアウトサイドのローソク足の安値付近に設定。
上昇したので、早いですが利確しました。
35.1pipsで351ドル(約39,312円)の利益となりました。
プライスアクションによるGBPCADトレード
GMMAは長期線が収縮しており、長期的な下落の勢いが落ちていると感じました。また、ダブルボトムのような動きでチャートがGMMAを上抜けています。さらに直近のローソク足は「アウトサイド&強気リバーバル」なので上昇の勢いが強いと判断しました。ロング!
損切りラインはアウトサイドのローソク足の安値付近に設定。
強い上昇が見られ、早いですが利確しました。
91.6pipsで705.46ドル(約79,011円)の利益となりました。
まとめ
トレードの結果はたまたまかもしれませんが、本を読んでその通りに取引しただけで、たった7時間で合計126.7pips(約118,323円)もの利益を出してしまいました。
過去2ヶ月間で最高の成績です。しかもラインは最低限しか引かず、相場分析も簡単で、ただローソク足の形でトレードしただけという…。
う~ん、いきなりうまく行き過ぎた感があってまだ信じられません。にしても手法がシンプル過ぎて、これぞ僕が求めていたシンプルトレードです。
今後も検証を続けて、勝率を高めていきたいと思いました。
プライスアクションを知らない人は買ってみたらいいと思います。値段安いし。FX初心者はエントリー&決済のタイミングで迷ってしまうと思うので、ほかの初心者向けのFX本で基本的な知識を付けてからがオススメ。初心者でいきなりこの本を読むのはハードル高そうな気がしました。