海外FX業者のほとんどが「追証なし」を実施しています。だからいくら口座がマイナスになろうと、トレーダーは不足分を入金する必要がないのです。
しかし「追証なし(借金リスクゼロ)」に慣れていない日本人がこれを聞くと、
「追証なしって言ってるけど、本当にないの?」
「何か裏があるんじゃないの?」
「怪しい…」
「そんなうまい話があるわけない!」
と思ってしまいます。
そこで今回は、「追証なし」のデメリットについてトコトン考えていきたいと思います。モヤモヤを解消するためにもぜひ読んでみてください。
「追証なし」の正体
FXはレバレッジがあるので、相場の大暴落によって入金額よりも多くの資金を失う危険性があります。
通常なら強制ロスカットがあるので、入金額以上の損失は出ない仕組みになっています。ですが、強制ロスカットを過信してはいけません。
2015年1月のスイスフランショックのように突発的な急落が発生すると、強制ロスカットが遅れ、口座が大きくマイナスになったところで決済されてしまうのです。
口座残高がマイナスになるということは、すなわち、あなたがFX業者に借金を背負っているのと同じこと。当然ながら入金することで借金を返さなければなりません。
しかし、海外FX業者は口座がマイナスになっても、そのマイナスをリセットしてくれるのです。これは僕らの借金を肩代わりしてくれるということ。これが「追証なし」です。
特に海外FXではレバレッジが400以上と高く、口座がマイナスになるようなことがあれば相当な借金になるリスクがあります。だから「追証なし」が非常に助かるのです。
「追証なし」に潜む4つのデメリット
1. レバレッジが低く調整される
先ほども言いましたが、ハイレバレッジは、大暴落が起きると口座が大きくマイナスになりやすいです。これは海外FX業者にとってリスクでしかありません。
残高がマイナスになった口座を素直にすべて補填していたら、FX業者自体が破綻せざるを得ない状況に陥ってしまいますから。
そこで海外FX業者は、重要イベント時にレバレッジを低く調整します。例えば50倍にしたり、日本と同じ25倍にまで抑えることもあります。
こうすると、ハイレバレッジでトレードしている人はポジション整理や追加入金をしなくてはいけなくなり、結果的にハイリスクトレーダーを減らすことができます。
さらに、たとえ口座がマイナスになっても、低レバのお陰でマイナスが膨らみにくくしているのです。
「追証なし」だからこそ、時と場合によって海外FX業者はレバレッジを調整することがある。これが1つ目の「追証なし」のデメリットです。
2. スプレッドが広がる
FX業者は国内海外問わず、重要イベント時にはスプレッドを広げます。
トレーダーにとって不利なトレード条件を提示することで、リスクの高い相場状況での取引を抑制するのです。
また、スプレッドを広げ、FX業者が収入を増やすことによって、マイナス口座発生時の補填ダメージを和らげようとしています。
3. 普段からスプレッドが広い
海外FX業者は国内FX業者と比べると、普段からスプレッドが広いです。
例えば、米ドル円なら、国内FXがスプレッド0.3pips程度なのに対し、海外FXは1.6pips程度。
海外FX業者は「追証なし」というリスクを負う代わりに、日頃から広いスプレッドで多くの利益を上げています。「追証なし」が実施できるのは、FX業者が十分に儲けているからこそだということを認識しておきましょう。
4. 日本人は「追証なし」を疑ってしまう
日本人は特に「追証なし」制度を疑ってしまいます。「海外FX業者は「追証なし」という甘い言葉を使って投資家をおびき寄せ、騙そうとしているのでは?」と考えている人も多いんじゃないでしょうか。
なぜなら国内FX業者はすべて「追証あり」だからです。日本人からすると「追証あり」こそが普通。
実際のところ、海外FX業者に詐欺業者が多いことは事実です。しかし世界的に見ると海外FX業者のほぼすべてが「追証なし」を採用していることも事実。世界的に見ると「追証なし」が普通なのです。
ではなぜ国内FX業者はどこも「追証あり」にしているかというと、「金融先物取引業協会」で「顧客に損失が生じても、それが相場の急落などFX業者のせいでない場合は顧客を保護する必要はないよ。その代わり、事前に「入金した額よりも損失が大きくなることがある」と説明してね」と定められているからです。
「追証なし」を疑うのもいいですが、なぜ国内FX業者は「追証あり」なのかを知っておくことも大切だと思います。
まとめ
上記の通り、「追証なし」はいいことばかりではありません。
レバレッジ調整やスプレッドの広さなど、注意しなければならないこともあるんだと覚えておきましょう。