「仮想通貨とはいったい何なのか…?」
「従来のお金と決定的に違うことって何…?」
「非中央集権って言葉がもう嫌…!」
「ブロックチェーンとか意味が分からない…」
「マイニング(採掘)?意味プーさん…」
投資目的で仮想通貨を買おうと思っているけど、その前に、仮想通貨とは何なのか、ちょっとでも勉強しようと思ってはいませんか?
しかし、いざ理解しようと色々調べても、これまで聞いたこともない言葉のオンパレードで頭は大パニック…。専門用語が多すぎてピンと来ないのです。
そこで今回は、仮想通貨とは何なのか、ビットコインとは何なのか、何がそんなに画期的なのか、根本的な仕組みの話を交えて順に説明していきたいと思います。なるべく具体的に分かりやすく書いたので、ぜひ参考にしてみてください。
仮想通貨とは?
「仮想通貨」と聞くと、実際には存在しない怪しい通貨のように思えてしまいますね。でもこの呼び名は日本独特のもので、世界的な認識は「暗号通貨」です。
英語表記ならCrypto(暗号) currency(通貨)。
また、現在は価格の変動が大きすぎて、通貨としては使いにくいことから、「暗号資産」と呼ぶ人もチラホラ。
さて、この短い説明の中で何度も「暗号」という言葉が出てきました。というのも、仮想通貨は高度な「暗号」技術を使って、不正・改ざんを防止しているのです。
そして、今はものすごい数の仮想通貨が誕生しています。有名どころではビットコインですね。そのほかにもリップル、ネム、イーサリアムを聞いたことがある人もいるかもしれません。
世界中で仮想通貨を使ったプロジェクトが生まれており、また、個人でもオリジナルの仮想通貨が作れることから、多くの種類(万単位)が存在しています。
ビットコインとは?
ビットコインは、謎の人物「サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)」の名で発表された論文から始まりました。この論文に興味を持った人々によってプログラムが組まれ、2009年に運用が開始されたのです。
ビットコインの誕生の仕方にロマンを感じます。
そして2010年に、とあるプログラマーが10,000BTCとピザ2枚を交換したことが、現実世界で初めて取引された瞬間であると言われています。
- すべての取引は不正・改ざんがないように皆で管理している(管理は誰でも参加できる)
- すべての取引は公開されている(誰でも見れる)
- 量があらかじめ決まっている(最大で2,100万枚)
- ビットコインの量は10分ごとに増えており、2140年に上限の2,100万枚に到達する
ビットコインの最大の特徴はなんといってもみんなで取引を管理していることです。
ちなみに取引とは、ビットコインアドレスから他のビットコインアドレスにビットコインが移動することを言います。イメージとしては、自分のメールアドレスから他人のメールアドレスにメールを送信するようなものでしょうか。
※ビットコインアドレス=「17PgxkUay6cFJW1NvsY6GizzL7cxLw71u5」のような文字列
例えばあなたが友人にビットコインを送信したとします(相手のビットコインアドレス宛に、1BTC送金したとする)。すると暗号技術により、本当にあなたが送金したのか、不正・改ざんが行われていないか、「あなたが送金した」と誰もが証明できるか、が検証されます。そして取引の管理に参加しているうちの51%が承認すると、あなたの取引は無事に成立します。
特定の国や銀行、組織に管理されない点はこれまでにない方法と言えるでしょう。
関連過去から学べ!ビットコイン(BTC)のチャートを2010年から振り返る
マイニングとブロックチェーン
先ほど「ビットコインの取引はすべてみんなで管理している」と言いました。そしてこの管理は誰でも参加することができます。
具体的なやり方としては、サイト「MinerGate」からフリーソフトをダウンロードして稼動させるだけ(性能の高いPCが良い)。PCの計算能力を使って、取引の検証&承認を行ない、一番早く成功したものに報酬として新しく誕生したビットコインが与えられます。この作業を「マイニング(採掘)」と言います。
マイニング報酬がもらえるから、みんなわざわざ取引の検証&承認作業をしているというわけです。ただ、マイニングにはかなり電気代がかかるため、電気代が高い日本では不利(赤字になる)。現状、電気代が安い中国で大規模なマイニングが行われています。
また、世の中で行われた取引は『マイニングされたブロック|BLOCKCHAIN』で公開されています。
1つのブロックの中に数十~数千の取引(トランザクション)が記録されていて、それが鎖(チェーン)のように連なっているからブロックチェーンです。ブロックチェーンは改ざんできないので安全だと考えられています。
世界では企業がマイニング事業をしている
以前は、個人で細々とマイニングが行われていました。今よりマイニングしている人の数が少なかったので利益は出ていたようです。
しかし今は企業がマイニング事業を始めています。先ほども言ったように、電気代の安い中国では専用のマイニングマシーンを製造し、大きな倉庫で大量のマシーンを稼動させています。
他にも、ロシアなどの寒い地域では、マシーンが発熱して故障しにくいこともあり、有利にマイニングできる環境にあります。
このように、企業規模でマイニングが行われるようになってしまったので、今では個人のマイニングは厳しい状況にあります。
秘密鍵と公開鍵の暗号化技術で不正なき取引を!
すべての取引はブロックチェーン上に記録されています。あなたが誰かにビットコインを送金すれば、その取引もちゃんと記録されます。
しかし、その取引は本当に改ざんされてないのでしょうか?
仮想通貨の取引はインターネット上で行われるものです。誰でもアクセスできるネットを介して取引されてしまうなんて少し怖い気もします。もしかしたらハッカーはあなたが送金しようとしているビットコインを狙っているかもしれませんからね。送金するビットコインの量や送金先のアドレスを改ざんされてしまったら大変です…。
そこで、不正・改ざんを防止するために使われているのが秘密鍵・公開鍵を使った暗号化技術です。1つのビットコインアドレスに、1つの公開鍵、1つの秘密鍵が存在しています。
例えばあなたは「1CaaR2DifirHh3GqgXaQr8iHgq523BErSN」というビットコインアドレスを持っていたとします。このビットコインアドレスは「04140b0406adaab57b82eaf76f5fdc87119732f9649d13c45acb1b8a8a58ba12eca81232568fb87e630be63297cdab01d794b0c32b3bea9cc1ee0bf9ec0a341a12」という公開鍵に何度も複雑な計算をして作られました。さらに、この公開鍵は、「66964e76db979f37bc66c2b036a6454d2e18882ae3f44adafa244db7fa7471e2」という秘密鍵が変換されて作られました。
参考ビットコインの仕組み(アドレスの作成から送金まで)|Bitcoin日本語情報サイト
秘密鍵から公開鍵が作られ、公開鍵からビットコインアドレスが作られるのです。
- 秘密鍵で暗号化したデータは、公開鍵で復元できる(「テニスが好き」という情報を秘密鍵で暗号化→「※※※※※※」。「※※※※※※」は公開鍵を使うことで「テニスが好き」に復元できる)
- 公開鍵で暗号化したデータは、秘密鍵で復元できる(「テニスが好き」という情報を公開鍵で暗号化→「※※※※※※」。「※※※※※※」は秘密鍵を使うことで「テニスが好き」に復元できる)
- 公開鍵から秘密鍵を割り出すことは不可能
- 秘密鍵は第三者に知られてはいけない(銀行の暗証番号並みに大事)
では、改ざんを防いで取引が成立する流れを具体的に説明していきます。
あなたのビットコインアドレス「1aaaaa」には1BTCあります。この1BTCを友人のビットコインアドレス「1bbbbb」に送金したい。でもネット上に「1aaaaaから1bbbbbに1BTC送金お願いね」と書き込んだところで、これを本当にあなたが書いたものか証明できません。もしかしたらハッカーがあなたのアドレスから1BTC盗むために書いたものかもしれません。情報が不確かなのです…。だから取引は成立しません…。
そこであなたは「1aaaaaから1bbbbbに1BTC送金お願いね」の依頼をネットワークに発信すると同時に、ビットコインアドレス「1aaaaa」の秘密鍵「ABCDEFG」を使って「1aaaaaから1bbbbbに1BTC送金お願いね」の依頼を暗号化「※※※※※」してネットワークに発信。さらに、公開鍵「UVWXYZ」もネットワークに発信。
※①依頼内容、②「※※※※※」、③公開鍵「UVWXYZ」の3つが発信されたことになる
マイニングを行っている人たちは発信された公開鍵「UVWXYZ」で、暗号化された「※※※※※」を復元!すると「1aaaaaから1bbbbbに1BTC送金お願いね」という依頼が現れました。あなたが発信した公開鍵で復元できる暗号化データというのは、あなたしか知りえない秘密鍵で暗号化されたということ。また、依頼内容と復元された内容が一致することから、この依頼は確かにあなたが発信したもの(あなたしか発信できないもの)と判断できるのです、ちょっと小難しいですが。よって、改ざんされていないと証明されたので、取引は無事に承認され、友人に1BTCが送金されます。
まとめ
ブロックチェーン技術を使うことで、取引をみんなで管理。銀行などの企業が仲介していないので、取引手数料は安く済みます。
例えば、従来の海外送金なら、送金手数料 → 中継銀行手数料 → 受取手数料がそれぞれ数千円かかり、日数も1~6日ほどかかります。でも仮想通貨なら不正のない取引が手数料安く、数秒~数分で完了してしまうのです。
究極の効率化といっても良いのではないでしょうか。
ただ、匿名の仮想通貨でマネーロンダリングが行われたり、非道徳的で不健全な賭け事に使われたりしても、特定の管理者がいないので簡単に取り締まれません。そういったデメリットもあるのです。
仮想通貨の歴史はまだまだ始まったばかり。今後どうなっていくのでしょうか。