「将来ビットコインは1,000万円を超える!」「ブロックチェーンは素晴らしい技術だ!」などとニュースで騒がれてる仮想通貨。
しかし、ブロックチェーンはそんなに完璧な技術なのでしょうか?何か危険性やデメリットはないのでしょうか?仮想通貨を扱う上で注意しなければならない点は?
そこで今回は、初心者向けに仮想通貨を扱う時の注意点や、危険性、ブロックチェーン技術のデメリットなどを紹介していきたいと思います。これを読み、少しでも騙されないようにしましょう。
仮想通貨のリスク
仮想通貨投資にはさまざまなリスクがあります。まずはどんなリスクがあるのか先にサラッと見ていきましょう。
- ハッキングリスクがある(取引所ハッキング、PCがウイルス感染)
- 送金先のアドレスを間違えるともう戻って来ない(セルフGOX)
- フィッシング詐欺が多い(取引所を真似たサイト、取引所を装ったメールに騙されてパスワードを盗られる)
- 本当に価値のある仮想通貨は少ない(将来の期待だけで買われているものが多い)
- 未だに国の規制が定まってない(相場が不安定)
- 価格の変動が激しい(大口投資家の売買によって価格が操られている)
- インフルエンサーに注意(仮想通貨の価格を吊り上げたい業者が、フォロワー数の多いTwitterアカウント・有名なブログに金銭を払って宣伝してもらい、意図的に大暴騰させることがある)
- 高騰しているものに安易に飛び付くと大損する(勢いよく上がれば必ず暴落する)
これから仮想通貨を始めようと考えている人も、これらを目にしたらやめてしまうかもしれませんね。では1つずつ説明していきます。
ハッキングリスクがある
仮想通貨はインターネットとつながっていることから、常にハッキングリスクがあります。
取引所のID、パスワードが盗まれ、預けていた仮想通貨が不正送金されてしまう被害は過去に何度もあります。また、取引所自体がハッキングを受け、ごっそり盗まれてしまったこともありました。
日本の取引所も過去に被害があります。2014年にはMt.GOX(マウントゴックス)社が、2018年にはコインチェックがハッキングされました。Mt.GOXに関しては社長がビットコインを横領したとも言われています。
取引所がハッキングされ、あなたの仮想通貨が無くなってしまったとしても、ほとんどの場合は返ってきません。そのため、「取引所に仮想通貨を置いておくのは危険なんだ!」と認識し、自分の責任のもと、外部のウォレットに保管しておくのが何より大切です。
また、パソコンがウイルス感染しないよう、怪しいメールには警戒し、海外サイトの閲覧も注意しなければなりません。
送金先のアドレスを間違えると戻って来ないリスク
初心者によくあるミスが、仮想通貨を送金しようとした時に、送金先のアドレスを間違えてしまうことです。
例えば、あなたのビットコインアドレス「1aaaaa」からどこかの取引所のビットコインアドレス「1bbbbb」に1BTC送金しようと思った時に、送金先のアドレスを「1bbbbc」と入力ミスしてしまった…。
※送金先のアドレスをコピー&ペーストし、さらに目視で間違ってないか確認することが大事
または、あなたのビットコインアドレス「1aaaaa」からどこかの取引所のビットコインアドレス「1bbbbb」に1BTC送金しようと思った時に、誤ってビットコインキャッシュのアドレス「1ccccc」を入力してしまった…。
※ビットコイン(BTC)と名前が似ている仮想通貨がたくさんあって初心者は間違えやすい
ほかにも、アドレス以外に通貨独自のメッセージやタグを入力する必要があったのに、入力し忘れてしまった…。
※送金の際、アドレス以外にメッセージやタグなど、所有者を特定するために独自の文字列を入力しなければならない仮想通貨も結構ある
ミスをしても、取引所に問い合わせることで何とかなる場合もありますが、それが海外の取引所であった場合は外国語でやり取りしなければなりません。また、連絡に何日もかかり、過剰なストレスになることもあります。
そしてもし、大きな金額を送金ミスしてしまい、永遠に取り戻せなくなってしまったら、悔やんでも悔やみきれないでしょう。
送金に自信がない場合は、Google検索でやり方を調べたり、1度目の送金は少額にして、成功するか試し送金してみることが大切です。
フィッシング詐欺が多い
仮想通貨にはフィッシング詐欺が多いです。
少し前は、Google検索のトップに表示される広告枠に、偽の取引所サイトが表示されていました。URLも本物と似ていて、サイトの見た目も同じだったので、非常に巧妙でした。
こうした偽サイトにID・パスワードを入力してしまうと、その情報を元に不正ログインされ、資産をすべて奪われてしまいます。
また、取引所を装ったメールで、ID・パスワードを盗む手口もあります。仮想通貨のことを知らない人は、「仮想通貨とはそういうもんなんだろう…」と考え、まんまと詐欺に引っかかってしまう危険性が高いのです。
自分が使う仮想通貨取引所は本物サイトのURLをあらかじめブックマークしておき、怪しいメールが来たらTwitter・Google検索で検証してみることが大切です。
本当に価値のある仮想通貨は少ない
現状、ほとんどの仮想通貨は期待だけで価格が上がっています。仮想通貨ごとにプロジェクトがあり、将来有望そうなものもたくさんあるのですが、まだプロジェクトが本格稼動していないのに価格が高騰していたりするんです。
じゃあもしプロジェクトがうまく行かなかったら…?
それに関連している通貨はたちまち無価値になっていくでしょう。
仮想通貨はまだまだそういう段階にあるのです。それを考えたら、株のように、実際に事業が行われているものに投資したほうが安全ですね。
未だに国の規制が定まってない
ブロックチェーンの技術は、世界中の国・企業から注目を浴びています。ただ、国ごとに規制が異なり、足並みは揃っていません。
過去には中国が仮想通貨取引を全面禁止にしたり、インドが仮想通貨を違法と判断したり。こういうことが起こると仮想通貨の価格は下落する傾向にあります。
G20でも規制について話し合われたようですが、様子見にとどまりました。今後どうなっていくかも分からないので、不安定な相場が続くことでしょう。
価格の変動が激しい
仮想通貨の市場に流れてきている資金の量は、2018年7月30日時点でおよそ32兆円。
参考Total Market Capitalization|CoinMarketCap
世界の株式市場が1京円(10,000兆円)を超え、ゴールド(金)が850兆円を超える時代なので、仮想通貨市場はまだまだ未熟です。
仮想通貨市場の時価総額の低さを見ると「成長の余地がある!将来的にはもっと価格が上がる!」と言えそうですが、参入者が少ない分、価格操作が簡単に行われてしまいます。大口投資家の売買によって価格が大きく動き、相場が操られてしまうのです。
不健全な相場です。
インフルエンサーに注意
ブログやTwitterなどで将来性がある仮想通貨を知ると、「チャンスを逃すまい!」とすぐ購入したくなってしまうものです。僕も過去に何度も飛びついてきました。
しかし、この行為には注意が必要です。
なぜなら、とある仮想通貨の価格を吊り上げたい人物・業者が、フォロワー数の多いTwitterアカウント・有名なブログ(インフルエンサー)に金銭を払って宣伝してもらい、意図的に大暴騰させることがあるからです。
知名度が上がった仮想通貨は爆発的に買われることがあり、その爆上げをあとから知った人がさらに買い、価格がどんどん高騰。が、その後、低い価格で大量に購入していた人物が一気に売るので、一瞬にして価格は下落。
投資は弱肉強食、自己責任。誰かが損するから自分が得する世界。仮想通貨を購入するタイミングには注意しましょう。
高騰しているものに安易に飛び付くと大損する
過剰に買われて価格が大暴騰し、バブルが起きると、低い価格で大量に購入していた人が一気に売り始めるので、大暴落します。そして大暴落した後は、少し上がっても「自分の保有分を全部売って助かりたい…」と考える人がいるので、また下落。売りたい人が減らない限り、上がりにくい相場になってしまうのです。
どんな相場も、永遠に上がり続けることはありません。
これは大口投資家(または組織)に相場を操られた例。膨大な資金力によってチャートをキレイに操作して、ある程度上がってきたところで一気に売りを仕掛けました。
順調に上がっているからといって安易に飛びついてはいけません。上がれば、誰かが利益確定のために売るのですから、絶対にどこかで下がるのです。
気をつけましょう。
ブロックチェーンのデメリット
続いて、ブロックチェーン技術のデメリットについて紹介します。
特定の管理者がいない問題
ブロックチェーンはみんなで管理している分、何か問題が起こった時にすぐに解決できません。国や銀行など管理する組織がいれば、その中でルールを改定することができますけどね。
簡単に取り締まることもできないので、悪質な取引に使われていてもなかなか対処できない問題があります。
取引量が多くなると渋滞が起こる
ビットコインなど、10分に一定の数量しか取引が処理できない仕組みの仮想通貨だと、世界中で取引が活発になれば渋滞が起こります。最悪、何日経っても取引が成立しないこともあり、不便になってしまうのです。
でも今は取引速度が速い仮想通貨があったり、今後ビットコインが「ライトニングネットワーク」という技術を実装する話もあるので、こういった問題は解決していくかもしれません。
プライバシー問題
ビットコインなどの仮想通貨は、どのアドレスからどのアドレスに取引があったかが筒抜けです。もしアドレスと個人が特定されてしまったら、あなたがどんな取引をしたかがバレてしまう可能性もあるのです。プライバシー問題は大きな問題です。
そこで、取引を分からないようにする匿名の仮想通貨も存在しています。ただし、こういったものはマネーロンダリングに悪用されるケースもあるため、それもまた問題なのです。
51%攻撃
ビットコインの取引の成立は、マイニングしている人(マイナー)たちの51%以上の承認で成立します。ということは、資金力を持った複数の組織が共謀して51%以上のマイニング能力を占めたとすると、直近の取引を改ざんできるのです。これを「51%攻撃」と言います。
例えば、ブロックが100個連なったブロックチェーン。みんなで取引を処理しているため、101個目のブロックが同時に2つ以上作られることもあります。そういった場合、2つ以上あるブロックのうち、後により多くのブロックがつながっていったほうが本物とみなされます。
長いチェーンのほうが本物とみなされ、短いチェーンのほうは無効化される。この仕組みを逆手に取り、51%攻撃で取引が承認されるのを防いだり、自分の取引をなかったことにできます。
通常、取引所では仮想通貨の送金作業が行われても、その取引が含まれたブロックのあとに、さらにいくつものブロックが一定数以上つながるのを確かめた上で、取引が成立したとみなします。
しかし中には、ある程度ブロックがつながる前に「送金成功」など、取引の承認を認めてしまう油断した取引所もあり、こうしたところでは過去に仮想通貨を盗まれてしまった例もあります。
まとめ
僕が仮想通貨を始めたばかりの頃は、分からないことだらけで苦労しました。何をするにもGoogleで検索して、1つ1つ確かめながら操作する日々。少しずつ慣れていくしかありませんね。
一番は自分の資産を守ることなので、そこは細心の注意を払いましょう。