妻を青色専従者にして、毎月給与を支払っている個人事業主(フリーランス)の方も多いかと思います。
ただ、専従者給与を支払うようになると、支払う度に翌月10日までに『給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書』を税務署に提出する必要が出てきます。
※給与の支給人員が常時10人未満の場合は『源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請』を提出すれば、『給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書』の提出は年2回(1~6月給与→7月10日までに提出。7~12月給与→翌年1月20日までに提出)でOKになる
僕は年2回の提出だと忘れそうになるから特例は受けずに毎月提出してるよ、e-Taxで
また、このほかにも、翌年1月中に提出しなければならない書類がたくさん…(うんざり)。しかも、書類によって市役所、税務署にそれぞれ提出しなければならない…(だるい)。さらに、自宅に届いた提出書類ではなく、市役所が独自に用意している書類を使わないといけない場合もある…(封筒表に書いとけ)。
ということで、今回初めて書類を作成して問題なく提出を終えたので、来年の自分のためにも記入方法を記録しておこうと思います。
毎月提出する『給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書』の書き方・記入例【e-Tax版】
給与を支払うと翌月10日までに提出する必要がある『給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書』。この存在を初めて電話で知らされた時は「毎月提出とかクソだりぃな」と絶句しましたが、e-Taxで提出できるのでラクでした。
※この時の電話で、e-Taxで提出できるかを聞いた時は10分ほど待たされた挙句、「ちょっと見つけられなかったんですけど、最近はなんでもe-Taxで出来るようになってるのでたぶんできます。探してみてください。」という無能クソ回答っぷり
すでにID・パスワード方式のe-Taxを使えるよう税務署で手続きを終えていたので、毎月給与を支払ったその日に、忘れず提出するようにしています。
※e-Taxソフト(WEB版)で提出してる
e-Taxソフト(WEB版)に辿り着く方法は、①「e-taxソフト(WEB版)」で検索するか、②HP「e-Tax 国税電子申告・納税システム」→上のメニューの「各ソフト・コーナー」タブをクリック→「e-Taxソフト(WEB版)」をクリックで行けます。
※前はChromeやMicrosoft Edgeのブラウザで非対応だったけど、今は拡張機能が用意されてるらしい。でも面倒なので最初からe-Taxソフトに対応してるInternet Explorerブラウザを使ってる。現在は拡張機能「e-Tax AP」をインストールしてChromeのブラウザでe-Taxソフト(WEB版)を利用しています。
最初に環境チェック結果が表示されるので、「閉じる」をクリック。
「ログイン」をクリック。
利用者識別番号と暗証番号を入力して「ログイン」をクリック。
「申告・申請・納税」をクリック。
新規作成欄の「操作に進む」をクリック。
「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般)」をクリック。
提出先税務署の都道府県と税務署名が合ってるか確認して「次へ」をクリック。
例えば、給与を令和3年1月25日に支払ったのであれば、「納期等の区分」欄を「令和3年1月」にする。そして区分「俸給・給与等」の作成にチェック。「次へ」をクリック。
給与を支払った日にち(今回の場合「25」)、人員、支給額、税額を入力。専従者が妻1人で毎月8万円を支払っているなら、人員「1」、支給額「80,000」、税額は「0」になります。
「所得税徴収高計算書用紙の送付の要否」は、「要」にすると次回の年末調整関係書類送付時に納付書も送ってくれるみたいです。ですが、僕の場合はそもそも源泉所得税の税額が0円なので納付する必要がありません。だから「否」にチェックを入れています。
※源泉所得税をe-Taxで電子納税する場合も「否」でOK
- 電子納税手続|e-Tax 国税庁
あとは、内容の確認などをしながら何度か「次へ」で進んでいき、送信して終わり。
作成はするけど提出しなくていい書類
いろいろ書類を用意する中で、提出せずに自分で保管しておく書類もいくつかあります。
『給与所得者の扶養控除(異動)申告書』の書き方・記入例
『給与所得者の扶養控除(異動)申告書』は、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日(中途就職の場合には、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日)までに、給与をもらう人(妻)が給与を支払う人(僕)に提出するもの。
提出を求められた場合以外は、給与を支払う人(僕)が保管しておきます。
基本、書くのは上の段だけでOK。ほとんど自分で書いて、名前と印だけ妻に記入させてます。
『給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書』の書き方・記入例
『給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書』は、その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、給与をもらう人(妻)が給与を支払う人(僕)に提出するもの。
提出を求められた場合以外は、給与を支払う人(僕)が保管しておきます。
上の段と中段左枠を記入するだけでOK。
中段左枠の「給与所得者の基礎控除申告書」については、1月から12月まで毎月給与が8万円なら、80,000円×12ヶ月=収入金額960,000円。
さらに、その右の「所得金額」は、(裏面「4(1)」を参照)と書いてあるので確認すると、給与の収入金額(ⓐ)が「551,000円以上、1,618,999円以下」なら「(ⓐ)-550,000円=所得金額」と書いてあるので、960,000円-550,000円=所得金額410,000円。
「給与所得以外の所得の合計額」は特にないので、(2)の所得金額は空欄。
「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」は410,000円。
「控除額の計算」は判定が「900万円以下(A)」なので、これにチェックを入れる。
「区分I」はA。
「基礎控除の額」は「※左の「控除額の計算」の表を参考に記載してください。」とのことなので480,000円。
『給与所得者の保険料控除申告書』の書き方・記入例
『給与所得者の保険料控除申告書』は、その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、給与をもらう人(妻)が給与を支払う人(僕)に提出するもの。
提出を求められた場合以外は、給与を支払う人(僕)が保管しておきます。
書くのは上の段だけでOK。
『給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿』の書き方・記入例
『給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿』は、「源泉徴収事務の便宜を考慮して作成したものであり、法令で定められたものではありません」とのこと。あくまで「源泉徴収票」という書類の作成をスムーズにするためのものであり、提出義務もありません。
じゃあ次から作らなくていいや
今回は作ってしまったので、作成方法を記しておきます。
こんな感じ。
裏面(PDFだと2枚目)は記載しません。
作成して市役所に提出する書類2つ
『給与支払報告書(個人別明細書)』の書き方・記入例
どういう役割がある書類か知らないけど、とりあえず『給与支払報告書(個人別明細書)』を市役所に1月31日までに提出する必要があります。
※1月31日が土日の場合は2月第1月曜日が提出期限
給与支払報告書(個人別明細書)には、オレンジ(3枚綴り)とみどり(2枚綴り)の2種類があります。
オレンジ(3枚綴り)のやつは左下に
支払金額が法人役員150万円・一般の受給者500万円を超える者等に使用してください。
と書いてあり、2枚目が税務署提出用になっています。
僕は妻に年間500万円も給与を渡していないので、みどり(2枚綴り)のやつを使用することになります。
住所やマイナンバー、氏名などは特に難しくはありません。
「種別」には「専従者給与」と記入。
支払金額などの金額については、すでに上で紹介した『給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書』の中段左枠と似てます。
「社会保険料等の金額」は、妻の分を僕が代わりに支払っているので「0」でOK。
「(摘要)」には、「青色専従者給与」などと、青色であることを書いておいたほうが提出先が理解しやすくていいそうです。
『給与支払報告書(総括表)』の書き方・記入例
上の『給与支払報告書(個人別明細書)』と一緒に、『給与支払報告書(総括表)』も市役所に提出します。
『給与支払報告書(総括表)』は税務署から送られてきてたのですが↓
市区町村によっては専用の『給与支払報告書(総括表)』の用紙を用意しているところも多く、一度「給与支払報告書(総括表) 〇〇市」等で検索して確認したほうがいいです。
僕も確認してみたところ、市役所のホームページに専用の『給与支払報告書(総括表)』のPDFがあり、それを印刷、記入して提出しました。
専用の『給与支払報告書(総括表)』に記入した項目と記入例は以下の通りです。
「代表者の職」と聞かれても、個人事業主は何と答えればいいのかなと思ってたら、代表でいいみたい。CEOっでもいいっぽい。取締役は名乗ったらダメなんだとか。適当に調べた限りだと。
特別徴収とは「地方税などを納税義務者が直接納付するのではなく、給与支払者が納税義務者に変わって納税する方法」らしく、原則は特別徴収のようなので「給与より特別徴収する人数」の欄に「1」人と記入しました。普通徴収にするためには「普通徴収切替理由書(兼仕切書(紙))」を書きます。まぁそもそも妻に税がかかるほどの給与を支払っていないので、特別徴収だろうがなんだろうが関係ないんだけど。
納入書の送付は、妻が個別に払う税がないから要らないんだけど、よう分からんからとりあえず「要」に〇しといた。
作成して税務署に提出する書類1つ
『給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表』の書き方・記入例
税務署には、翌年1月31日までに『給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表』を提出しなければなりません。
この書類は税務署から送られてきました。
例えば、令和3年1月31日までに出すものなら「令和02年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」となります。
「事業種目」は自分のものを記入。
「調書の提出区分」は新規なので「1」。
「氏名または名称」には「屋号」を書きました。
上段のほかの部分は、管轄の税務署を書いたり、自分の住所、マイナンバーなどを書くだけなので迷うことはありません。
「俸給、給与、賞与等の総額」の「人員」は妻だけなので「1」人。
「左のうち、源泉徴収税額のない者」は、妻が該当するので「1」人(妻の給与額なら税額は0円)。
「支払金額」は、毎月8万円の給与なので12ヶ月分の「960,000」円
「源泉徴収票を提出するもの」は「0」人(給与支払報告書(個人別明細書)は、「税務署提出用の源泉徴収票」が含まれているオレンジ(3枚綴り)のものを使用していないので)。
「災害減免法により徴収猶予したもの」は猶予してないので「0」人。
「猶予税額」は「0」円。
「摘要」欄には「該当なし」と記入する(通常、法定調書(「給与所得の源泉徴収票」など書類の総称)と一緒に『給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表』を提出するのですが、今回のように提出する法定調書がない場合は「該当なし」と記入するように説明されています)。
控用は複写されるので特に問題はありませんが、
押印忘れずに。
※もう押印なくなった
今回は初めての作成で、どこか間違いがあったら嫌だなと思って直接税務署に提出しに行きましたが、『給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表』はe-Taxでも提出できるようなので、次回からはe-Taxを使おうと思います(電子証明が必要だった…)。
まとめ
ネットで情報を調べてそれぞれの書類を完成させました。提出したものは特に指摘されることなく、市役所にも税務署にもすんなりと受理されました。
本人確認やマイナンバーの確認もなかったので、非常にあっけなかったです。