ダウ理論について勉強したいと思っていたら、「マーケットのテクニカル分析」を発見!
amazonの評判も良く、読んでみたいと思っていたら、なんとアマゾンプライム会員なら無料で読めるじゃあないか!
普通に購入したら6,000円ですから、もうこれだけで今年分のアマゾンプライム会員費の元取れました。
さらに内容も、まさしく「専門的な教科書!」と言える高品質で、この本に出合えて本当に良かった!
ということで、このページでは学んだことや感想を書いていきたいと思います。
「マーケットのテクニカル分析」を読んだ感想
トレードのすべてが学べる良書
「マーケットのテクニカル分析」は、その辺の小手先の知識だけを説明するような本ではありません。600ページ以上に渡り、根本から丁寧にトレードの知識を教えてくれています。
では、どんな目次なのかを紹介!
※自分用メモとして、また読み返したい部分にマーカー引きました
- 第1章 テクニカル分析の哲学
- はじめに
- 哲学と論理的根拠
- テクニカル分析とファンダメンタルズ分析
- 分析とタイミング
- テクニカル分析の柔軟性と適応性
- テクニカル分析を異なる対象に応用
- テクニカル分析を異なる時間枠で応用
- 経済予測
- テクニカルアナリストかチャート分析者か
- 株式と先物のテクニカル分析を簡単に比較
- テクニカル分析に向けられる批判
- ランダムウォーク理論
- 一般原理
- 第2章 ダウ理論
- はじめに
- 基本理念
- 終値の使用とラインの存在
- ダウ理論に対するいくつかの批判
- 経済指標としての株式
- ダウ理論を先物に応用
- おわりに
- 第3章 チャートの仕組み
- はじめに
- 利用できる各種チャート
- ローソク足チャート
- 算術目盛りと対数目盛り
- 日足のバーチャートの作り方
- 出来高 先物取引の取組高
- 週足と月足のバーチャート
- おわりに
- 第4章 トレンドの基本概念
- トレンドの定義
- 3つのトレンドの方向
- 3種類のトレンド
- 支持線と抵抗線
- トレンドライン
- ファン理論
- 「3」という数字の重要性
- トレンドラインの相対的な傾斜角度
- チャネルライン
- リトレースメント比率
- スピードライン
- ギャンラインとフィボナッチファンライン
- 内部トレンドライン
- リバーサルデイ
- ギャップ
- おわりに
- 第5章 主要な反転パターン
- はじめに
- 価格パターン
- 2種類のパターン―反転と継続
- ヘッド・アンド・ショルダーズの反転パターン
- 出来高の重要性
- 目標値の算出
- 逆ヘッド・アンド・ショルダーズ
- 複合型ヘッド・アンド・ショルダーズ
- トリプルトップとトリプルボトム
- ダブルトップとダブルボトム
- 理想的パターンのバリエーション
- ソーサーとスパイク
- おわりに
- 第6章 継続パターン
- はじめに
- トライアングルパターン
- 対称トライアングル
- 上昇トライアングル
- 下降トライアングル
- 拡大型パターン
- フラッグとペナント
- ウエッジ
- レクタングルパターン
- メジャードムーブ
- 継続型ヘッド・アンド・ショルダーズ
- 確認とダイバージェンス
- おわりに
- 第7章 出来高と取組高
- はじめに
- 二次的指標としての出来高と取組高
- 全市場における出来高の解釈
- 先物市場における取組高の解釈
- 出来高と取組高に関するまとめ
- ブローオフとセリングクライマックス
- COTリポート
- コマーシャルズを見よ
- トレーダー別ネットポジション
- オプションの取組高
- プット・コール・レシオ オプション市場のセンチメントとテクニカル分析を組み合わせる
- おわりに
- 第8章 長期チャート
- はじめに
- 長期的視野を持つことの重要性
- 先物取引のためのつなぎ足チャートの作り方
- パーペチュアルコントラクト
- 長期トレンドはランダム性に異議を唱える
- チャートパターン―週反転・月反転
- 短期チャートと長期チャート
- なぜ長期チャートはインフレ調整しなければならないのか
- 長期チャートはトレード用ではない
- 長期チャートの例
- 第9章 移動平均
- はじめに
- 移動平均―時間の差を平滑化する手法
- 移動平均エンベロープ
- ボリンジャーバンド
- 目標値としてのボリンジャーバンド
- バンドの幅はボラティリティを示す
- 移動平均は相場サイクルに結び付いている
- 移動平均として用いられるフィボナッチ数列
- 移動平均を長期チャートに適用する
- ウイークリールール
- 最適化すべきか否か
- まとめ
- 適応移動平均
- 移動平均に代わるもの
- 第10章 オシレーターとコントラリーオピニオン
- はじめに
- オシレーターをトレンドと連携させる方法
- モメンタムの測定
- ROCの測定
- 2本の移動平均を用いるオシレーター
- コモディティチャネルインデックス
- RSI
- 70と30のラインをシグナルとして利用する
- ストキャスティックス
- ラリー・ウィリアムズの%R
- トレンドの重要性
- オシレーターが最も有効に機能するとき
- MACD
- MACDヒストグラム
- 週足と日足を組み合わせる
- 先物取引におけるコントラリーオピニオンの原理
- 投資家センチメント指数
- インベスターズ・インテリジェンス指数
- 第11章 ポイント・アンド・フィギュア
- はじめに
- ポイント・アンド・フィギュアとバーチャート
- 日中のポイント・アンド・フィギュア・チャートの作り方
- 水平カウント
- 価格パターン
- 3枠反転ポイント・アンド・フィギュア・チャート
- 3枠反転チャートの作成方法
- トレンドラインの引き方
- 目標値の算出法
- トレード戦術
- ポイント・アンド・フィギュア・チャートの優位性
- ポイント・アンド・フィギュアのテクニカル指標
- ポイント・アンド・フィギュア・チャートのコンピューター化
- ポイント・アンド・フィギュアの移動平均
- おわりに
- 第12章 ローソク足
- はじめに
- ローソク足の作り方
- 基本のローソク足
- ローソク足パターンの分析
- ローソク足パターンにフィルターをかける
- 結論
- 第13章 エリオット波動理論
- 歴史的背景
- エリオット波動原理の基本的着想
- エリオット波動とダウ理論の関連性
- 修正波
- 交代の原則
- チャネル化
- 波動4と支持線領域
- 波動原理の基礎としてのフィボナッチ数列
- フィボナッチ比率とリトレースメント
- フィボナッチ目標時間
- 波動理論の3つの面を組み合わせる
- エリオット波動の応用――株式市場とコモディティ市場
- 要約と結論
- 参考文献
- 第14章 サイクル
- はじめに
- サイクル
- サイクルの考え方がチャート分析手法をいかに助けるか
- 支配的サイクル
- サイクルの長さを組み合わせる
- トレンドの重要性
- 左右変換
- サイクルを分離する方法
- 季節性サイクル
- 株式市場のサイクル
- 1月のバロメーター
- 大統領選挙サイクル
- ほかのテクニカルツールとの併用
- 最大エントロピースペクトラル分析
- サイクルに関する文献とソフトウェア
- 第15章 コンピューターとトレードシステム
- はじめに
- 必要なコンピューター
- ツールと指標の分類
- ツールと指標の使用
- ウエルズ・ワイルダーのパラボリックシステムとディレクショナルムーブメントシステム
- システムトレードの利点と欠点
- 専門家の助言が必要なら
- システムの検証・自作など
- おわりに
- 第16章 マネーマネジメントとトレード戦術
- はじめに
- 成功するトレードの3要素
- マネーマネジメント
- リスク・リワード・レシオ
- ポジションの多元化――トレンディングとトレーディング
- 勝ちが続いたり、負けが続いたあとに何をすべきか
- トレード戦術
- テクニカル要因とマネーマネジメントを組み合わせる
- 注文の種類
- 日足チャートから日中足チャートへ
- 日中ピボットポイントの利用
- マネーマネジメントの要約とトレードのガイドライン
- 株式への応用
- アセットアロケーション
- 投資一任勘定と投資信託
- マーケットプロファイル
- 第17章 株式と先物の関連性――市場間分析
- 市場間分析
- プログラム売買――究極的な関連性
- 債券と株式の関連性
- 債券とコモディティの関連性
- コモディティとドルの関連性
- 株式のセクターと業種
- ドルと大型株
- 市場間分析と投資信託
- レラティブストレングス分析
- レラティブストレングスとセクター
- レラティブストレングスと個別株
- 市場のトップダウンアプローチ
- デフレシナリオ
- 市場間の相関
- 市場間ニューラルネットワークソフトウェア
- おわりに
- 第18章 株式市場の指標
- マーケットブレドゥスを測る
- サンプルデータ
- 市場平均の比較
- 騰落ライン
- 騰落ラインとのダイバージェンス
- 日足の騰落ラインと週足の騰落ライン
- 騰落ラインのバリエーション
- マクレランオシレーター
- マクレラン総和指数
- 新高値銘柄数と新安値銘柄数
- 新高値・新安値指数
- 値上がり銘柄の出来高と値下がり銘柄の出来高
- アームズインデックス
- TRINとTICKの対比
- アームズインデックスの平滑化
- オープンアームズ エクイボリュームチャート
- キャンドルパワー
- 市場平均の比較
- おわりに
- 第19章 要点整理――チェックリスト
- テクニカル分析のチェックリスト
- テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の調整
- 公認テクニカルアナリスト
- マーケット・テクニシャン・アソシエーション
- 世界に広がるテクニカル分析
- テクニカル分析の別称
- FRBの最終的な承認
- おわりに
- 付録A 上級テクニカル指標
- DI
- HPI
- STARCバンドとケルトナーチャネル
- DIの計算式
- 付録B マーケットプロファイル
- はじめに
- マーケットプロファイルグラフ
- マーケットストラクチャー
- マーケットプロファイルの組成原理
- 値幅展開とプロファイルパターン
- 長期の市場活動を追いかける
- おわりに
- 付録C トレードシステム構築の要点5段階プラン
- ステップ1――まずアイデアを練る
- ステップ2――アイデアをもとに客観的なルールを作る
- ステップ3――チャート上で視覚的にチェックする
- ステップ4――コンピューターを用いて正式な検証を行う
- ステップ5――結果を評価する
- マネーマネジメント
- おわりに
- 付録D つなぎ足
- グレッグ・モリス 期近限月足(ニアレストコントラクト)
- 2番限足(ネクストコントラクト)
- ギャンコントラクト
- つなぎ足
- 期間固定つなぎ足
- 用語集
- 参考文献
- 資料・ソース
ものすごい量なので、読み終わるまでに1週間以上かかりました。第18章から後は興味なくてほぼ読みませんでしたw
本全体から「ダウ理論」が学べる
「ダウ理論」と言うと、「トレンドは明確な反転シグナルが出るまで続く」などの6つの基本理念のことです。第2章で「ダウ理論」の解説がありました。
ただ、漠然と「ダウ理論」を知っているだけでは、どうトレードに反映させればいいのか分かりません。
この本では、トレンドやチャートパターン、エリオット波動理論の考え方が、すべて「ダウ理論」に基づいたものであることを教えてくれました。だから実用的なトレード知識が身に付きます。
パターンには反転と継続がある
チャートにはいろいろなパターンがあることは知っていましたが、それぞれに「反転」と「継続」があったなんて全然知りませんでした。
三尊天井や逆三尊は反転ですが、トレンドの途中に出てきたトライアングルやフラッグ、ペナントは小休憩で、再度トレンドに乗って進んでいくことが多いとか。
こういうのはトレードするなら絶対に知っておいたほうがいい知識ですね。
「エリオット波動理論」は自分に合わなかった
途中の「エリオット波動理論」は結構楽しみにしてたんですけど、読んだ結果、自分の中でしっくり来なかったので、使うことはないなと思いました。
実際にFXのチャートに照らし合わせようと試みたんですけど、どこまでが第○波で、どこまでが修正波なのか、チャートが完成しないことには判断できないと感じました。
トレンドラインまで明確に戻ってきているような状態だったら、「あ、ここで修正波は終わりかな?」とか判断がつくと思うんですけど、チャートはそう都合のいい形してくれないのでね。
オシレーターがフィルターになることに感動
僕はこれまで、オシレーターなんて後付けのデータで、トレードには役立たないと思っていました。実際チャートと見比べてみても、反転のタイミングが当たることもあれば当たらないこともあるし。
でもこの本を読んで、RSIとストキャスティクスの組み合わせがトレードのタイミングの目安になり、無駄なトレードが減少すると感じました。特にポジポジ病の人にはいいかも。
オシレーターにもトレンドラインなどを引けば相場の強弱を図れることが分かり、これは自分的に大発見でした!
サイクル理論の話も面白かった
相場にはサイクルがあるようですが、世の中のどんな事象にもサイクルがあると説明があり、とても面白い考えだなと思いました。
こういうのが分かれば、長期的に見てトレンドの方向が分かり、有利にトレードできるようになりそう。
マネーマネジメントって大事
トレードをするなら、常に利益と損失について考えなければなりません。
例えば、リスクの高い場面ならLotを低くしたり、損切りラインを浅く設定する。さまざまな分析から勝率が高いと感じた場面ではLotを大きくしたり、損切りラインを広めに設定する。
このように、場面ごとにLot数を変えたり、許容リスクを調整したりして、戦っていくのが良いようです。
この本を読めば知識の土台が完成する
以前、「パターンを覚えるだけで勝率7割超!FXチャートの読み方」という本を読んだことがありました。これはプライスアクションによるトレード手法が紹介されていました。
関連書評「パターンを覚えるだけで勝率7割超!FXチャートの読み方」シンプルで単純なのに勝てる手法
ただ、どうしてそのプライスアクションが有効なのか、根本的なことまでは分からなかったような気がします。
しかし、今回「マーケットのテクニカル分析」を読んだことで、日や週の終値が重要視されていることを知り、だからこそリバーサルがトレードの根拠に使えるんだと理解できました。
あ、そういやチャートと出来高の関係も解説されてて、出来高の重要性も理解できたので、マジでこの本読んで良かったです。