仮想通貨を利用したマルチ商法が増加傾向にあるそうです。
参考友だちから誘われても断れますか?若者に広がる「モノなしマルチ商法」に注意!|独立行政法人 国民生活センター
上の図は相談件数を示しています。アムウェイみたいな商品系のマルチ商法は若干減っているような。逆に役務(サービス系=モノなしマルチ商法)は増加傾向にあって、特に29歳以下からの相談は増えてきています。
「仮想通貨への投資」を謳ったマルチ商法が増えているらしいんです。まぁたしかに、投資に興味はあるけど知識・経験がない人は騙されそう。僕も仮想通貨系では騙されたことあるし。失敗しないと学べないよね。
どんなマルチ商法がある?
- 株の勉強会で「人を紹介すると30万円もらえる」と聞かされ、ATMで入会金80万円を下ろして払った。返金してほしい。
- 仮想通貨ウォレットのアフィリエイトを勧誘され、「お金を入れると配当が付く」と言われた。7万円コースは儲けの40%、21万円コースは儲けの80%。アフィリエイターを紹介すると紹介した人が支払ったコース費用の10%が自分の収入になると説明され、登録料含む22万円を指定口座に振り込んだ。怪しいと思い返金を要求するも、「自分は社員じゃないからできない」と言われた。
- 中学時代の友人に呼び出され、別の勧誘者と同席して、配当や紹介料が入る案件を勧誘された。投資家を紹介すれば投資額の10%を受け取ることができると言われ、消費者金融4社から合計130万円を借り、代金を友人に手渡した。返金を要求したが半分しか戻ってこなかった。
これらの話の共通点は「別の誰かに紹介すれば紹介料が手に入る」「その場で金を要求される」「洗脳される」です。
一番の特徴は「その場で金を要求される」ってことですね。だいたいの人は後になって冷静に考えれば「怪しくない…?」と気付きます。だから気付く前に説き伏せて資金を奪うんですね。
実際に商品(サービス)があるかもしれないので、断定はできませんが、ほぼねずみ講ですやん。
仮想通貨の世界は詐欺がいっぱい
仮想通貨の世界には詐欺がたくさんあります。
配当系はだいたい危ない
「ウォレットに資金を入れたら毎日配当出る」系はだいたい詐欺です。資金を入れたら最後、出金できなくなります。挙句の果てに「出金するにはビットコインの入金が必要」などと言ってきて、最大限搾取してこようとします。たとえ入金しても出金できないことに変わりはないです。
また、以前、中国の仮想通貨取引所で流行った配当系取引所トークン。「配当がもらえる」ということで、配当系の仮想通貨が猛烈な勢いで買われ、値上りしていきました。しかし結局、配当に目が眩んだ人は、価格が下がってきているのにその仮想通貨を売ることができず、配当も減り、最終的には損失を出す結果に。
これ僕の話ね。中国はマジ信用できない
「マイニング報酬がもらえるトークン」系も詐欺のものがありました。「配当」「不労所得」が好きな人は多いので、騙される人がいるんだと思います。「毎日報酬が入る」といったものは関わらないほうがいいですな。
インフルエンサーも危ない
仮想通貨バブルが近づいてくると、詐欺業者がインフルエンサーに金を渡し、広告させることが増えていきます。急に特定の仮想通貨を煽り出したら危険です。中には「フォロワーが多い」というだけで盲信し、自分の資金を投入する人がいますが、だいたいが損して終わります。たちが悪いのは、複数のインフルエンサーが一斉に煽り出すことと、普段は有益な情報を発信していること。
また、自分が持っている仮想通貨を煽り、値上りしたところで売り抜けることも常習的に行なわれます。LINE@(ラインアット)が利用されることも多く、これは閉鎖的なコミュニティを作って、都合のいいように物事を進めるためのカモリストです。それが分かった上で逆に利用するのはいいでしょうが、「何かいい話を教えてもらえるかも?」といった期待で加わるのはやめたほうがいいでしょう。
そもそもビットコインもねずみ講か
ねずみ講というのは、どんどん入会者を増やし、継続的に入会金を得ることができなければ破綻する詐欺行為です。
日本の年金制度も人口が減り続ける今は破綻気味のねずみ講。「破綻しない」という意見もありますが、本質は「破綻するかどうか」じゃなくて、「正当な年金をもらえるのか」ってところ。国は年金制度が破綻しないように、保険料を引き上げ、給付額を減らし、支給開始年齢を引き上げますが、これは国から「死ぬまで働け」と言われているようなものです。割にも合わない。人為的で苦し紛れのやり方はいつか限界が来そう。生活に困窮した自殺者が増えそう。
さて、ビットコインについてですが、これも自分より高値で買ってくれる人がいなければ価格は上がらないので、一種のねずみ講とも言えるでしょう。んなこと言ったら投資全般がねずみ講になってしまいますが。
これは仕方ありません。投資の世界は誰かの損失が自分の利益になっていますから。比較的早い段階で「将来価値が上がるもの」に資金を投入し、上がったところで売り抜ける。これができなければ負けることになります。
世界各国の通貨は少しずつインフレを起こすものなので、「相対的にビットコインの価値は高まっていく」という意見もあります。「非中央集権」「マイニングコスト」といった価値の裏付けによって、ビットコインの価格は上昇していくという見方もあります。
ただ、もう個人でマイニングするには割に合わなくなってきたように、将来的に多くのマイニング企業が撤退する事態に陥れば、非中央集権の良さが失われてしまって、ビットコインに価値を見出す人が減ってしまうかもしれません。テザー社の価格操作が暴走してしまって、致命的なバブル崩壊を引き起こしてしまうかもしれません。
※2017年末のビットコインバブルは日本人が勝手に買って勝手に損しただけのバブルなので、致命的なバブル崩壊とは言えなそう。テザー社のような、大きな力を持った何者かが価値の裏付けもなしにビットコインを大暴騰に導いた時が危険だと思う。非中央集権のビットコインに対して、果たしてそこまでできるのかは疑問だけど。ステーブルコインが乱立する中で、テザー社のように裏付け資産以上にステーブルコインを発行するところが増えてくる可能性だってある。警戒する必要はありそう。
ということで、何かに投資している時点でリスクは付きまとうし、投資を全くやっていなかったとしてもそれはそれでリスクあるし、世の中リスクだらけってことですね。分散投資もいいと思うけど、やっぱりその時々の時代にあった稼ぐ力がある人は最強だわ。