最近、どうやったら安全に投資できるかを考えていました。投資はある程度リスクを背負うものですから、100%安全なんてないのは分かっています。でも、それを踏まえた上で今よりも資産を守りながら運用したい。しかも簡単に。
で、色々ググッていると、投資には「リバランス」という方法があることを知りました。リバランスとは、分散投資する対象の保有比率をあらかじめ決めておき、定期的にズレた比率を元に調整し直すことです。
このルールに乗っ取って投資を行っていれば、ガチホよりパフォーマンスが上がることが分かりました。
そこで今回は、リバランス投資法のやり方と、2017年1月~2018年2月の間でリバランス投資をしていたらどれだけ儲かっていたかを紹介していこうと思います。
投資においてリバランスとは?
もしかしたら「リバランス」は投資の基本的な知識なのかもしれません。でも僕は投資経験がそんなにないので、まぁ知らんかった。
例えば、元手が20万円ある。BTC・ETH・XRP・XEMに5万円ずつ分散投資したとする。リバランスのルールを「1ヶ月ごとに各通貨の評価額が全体の25%ずつになるように調整する」にしたとする。
上の図を例にすると、5万円ずつ投資したものが、1ヵ月後に評価額がBTC 100,000円・ETH 70,000円・XRP 40,000円・XEM 30,000円になった(合計240,000円)。比率がズレてしまったので、ルールに乗っ取り、各通貨の保有率が25%(60,000円)になるように売り買いする。これでリバランス完了です。
これはいったい何をしたかというと、価格が上がった通貨を一部利確し、その利確した分で、価格が下がった通貨を買い増したのです。
投資で稼ぐためには、上がった時に売る・下がった時に買うのが鉄則です。で、リバランス投資なら相場を読まなくても、計算して調整するだけで自動的にソレができます。そしてこの方法はガチホよりも効率が良いです。
2017年にリバランス投資していたら?
もし、2017年1月~2018年2月までの間でリバランス投資をしていたらどんな結果になっていたでしょうか?
2017年1月1日にBTC・ETH・XRP・XEMを5万円ずつ購入し、保有比率がそれぞれ25%になるよう定期的にリバランスするルールだと仮定。その上で、5つの場合分けをして利益を考えてみました。
- 月1回のリバランス
- 3ヶ月に1回のリバランス
- 半月に1回のリバランス
- 月に3回のリバランス
- 大暴落バージョン(価格推移を真逆にし、大暴落を想定して、月1回リバランスした場合)
計算してみた結果、色んなことが分かりました。
上昇相場ではガチホよりも効率が良い
もし、2017年1月1日~2018年2月1日の間でガチホしていた場合は以下のようになっていました。
- ガチホ:21,412,489円
- 月1回リバランス:29,741,982円
- 3ヶ月に1回リバランス:25,205,976円
- 半月に1回リバランス:34,810,936円
- 月に3回リバランス:32,232,103円
ガチホでも十分すごいとは思うんです。
でも、定期的にリバランスしたほうが3,793,487円~13,398,447円もの差が生まれています。これは凄まじい!仮想通貨は値動きが大きいから、それなりにリバランスすると利益が増えるのかも。
ただ、リバランスの回数は多ければ多いほど良いというわけでもありません。今回の場合で言えば、たまたま半月に1回のリバランスが相場に合っていたのでしょう。
突然の大暴落で価格が2017/1/1に戻っても利益が出ている
仮想通貨はいつ大暴落が訪れるか分かりません。そこで、もし2018年2月1日まで順調に含み益を増やしていたのに、突然の大暴落で各通貨の価格が2017年1月1日の時に戻ってしまった場合の合計評価額も計算してみました。
- ガチホ:200,000円
- 月1回リバランス:1,047,386円
- 3ヶ月に1回リバランス:775,802円
- 半月に1回リバランス:1,112,927円
- 月に3回リバランス:1,108,906円
ガチホのみの場合は当然、元の200,000円に戻るだけ。ですが、リバランスを繰り返していたほうは利益が出ています。リバランス(高い時に売る・安い時に買う)を行ったことで、いい感じに通貨の枚数が増えたからですね。
下落相場にもリバランスは有効
仮想通貨は、いつ暗くて長い下落相場に突入するか分かりません。
そこで、2017年1月1日~2018年2月1日の価格推移を真逆にして下落相場を想定し、月1回のリバランスを行った場合を検証してみました(大暴落バージョン)。
- ガチホ:7,043円
- 月1回リバランス:6,375円
すると、リバランスしたほうが評価額が小さくなる結果に…。まぁほぼ変わらんけど。
で、この状態から各通貨の価格が元に戻った場合の合計評価額を考えると、ガチホは200,000円に戻るだけですが、リバランスしていたほうは682,539円に増えています。そう考えると、リバランスは役に立っています。
仮想通貨リバランス投資法のメリット
ガチホより有利
僕がエクセルで検証した結果、ガチホしているよりもリバランスしたほうが利益を増やせることが分かりました。場合によっては大きな差も生まれます。
すごく難しいことをしているわけではありませんから、エクセルで管理していけば誰でもリバランスできますね。
トレードが苦手な人でもできる
リバランスは機械的に計算して、淡々とトレードすればいいだけですから、投資が苦手な人でもガチホ以上に利益を上げることができます。
攻めと守りの両立
「リバランス」は守りに特化した投資法ですが、仮想通貨という世紀の投機商品に資産を注ぎ込んでいる時点で攻めてますから、仮想通貨リバランス投資法は攻めと守りを両立した方法なんじゃないかと思いました。
仮想通貨リバランス投資法のデメリット
リバランス作業が面倒
いちいちリバランス作業をするのが面倒です。仮想通貨は基本的にウォレットで保管するのが安全ですから、トレードするためにウォレットから取引所に移して、他の通貨を購入して、それをウォレットに退避させると…。
面倒くさ過ぎる…!しかも、まだマイナーな取引所にしか上場していない通貨もありますから、組むポートフォリオによっては超面倒になる恐れも…。
リバランス回数が増えると手数料も増える
リバランスするには、送金手数料や取引手数料が必要になってきます。なので、リバランスの回数が増えれば、それに比例して手数料も増えます。
ぶっちゃけ、リバランスすれば手数料分は余裕で稼げそうですが。
GOX率が上がる
送金ミスるとセルフGOXします。PCがマルウェア等に感染していれば不正送金の被害に合うかもしれません。
運が悪ければ、トレードするために取引所に預けたタイミングでハッキング被害を受けることも。
せめて、使いやすいDEX(分散型取引所)が早くできるといいんですが。
トレードが得意な人にとっては非効率
そもそも相場が読める人、トレードが得意な人からしたら、リバランス投資法は非効率です。
利確により税金が発生する
リバランスをするということは、利確をすることですから、利確した金額によっては税金が発生します。
もし長期で考えていて、まだ税金を払いたくない場合は、ガチホを続けたほうがいいかもしれません。
まとめ
リバランス投資法を書いておきながら、僕はやる予定はありません。ただ、安全な投資方法を模索していく中で、リバランスを知り、それを仮想通貨に当てはめたらどうなるのかを検証してみただけ。
やりたい気持ちはあるんですけど、仮想通貨のリバランスってどんだけ面倒くさいんだかw。だからといって株式やETFでやってもたかが知れてそうだし。
理想は、ある程度含み益が出たら利確しちゃって、値下がりしている or 将来有望で伸びしろがありそうな(時価総額が低い)通貨を購入する、を繰り返していくことなんかな。
追記:リバランスがガチホに負ける場合もある
上の検証では、2018年2月1日時点での、リバランスとガチホの評価額を比較していました。しかし、比較するタイミングによってはガチホのほうが評価額が高い場合もあります。
この表は、2017年1月1日~2018年2月16日の期間で、BTC・ETH・LTCの3つをガチホ or リバランスした場合の比較です。
※最初にそれぞれ50万円ずつ購入し、リバランスは常に1/3ずつになるように調整する
表の一番右の水色エリアは、ガチホの評価額に比べて、リバランスした時の評価額がどれだけ増減しているかを示しました。すると、2017年9月まではほぼガチホしていたほうが優勢です。その後はリバランスしてきた成果が現れていますが、2018年2月のような大暴落があるとリバランスが不利。まぁ、2018年2月16日の時点のように相場の回復があればリバランスは回復も早いんですけど。
よって、必ずしも「リバランスをしておけばガチホに勝てる」ってわけでもないんです。相場によって異なります。特にリバランス投資法は仮想通貨全体の下落相場では減りが早い。なので、下落相場の時にパニック売りをするとガチホよりもヒドイ結果になる可能性があります。
利確するなら上昇相場のタイミングに限りますね!たぶん。