「ビットコインや暗号資産に興味はあるけど、専門用語がむずかしくて…」
そのように感じている人はけっこう多いと思います。
この記事では、初心者がつまずきやすい暗号資産・ビットコインの用語を、やさしい言葉と例え話で30個ピックアップして解説します。
インスタの「BTC用語辞典」ハイライトから来てくれた方も、こちらでさらに詳しく理解できますよ!
- 🔰 暗号資産・ビットコインの基礎用語
- 1. ビットコイン / 暗号資産(仮想通貨)
- 2. アルトコイン
- 3. ブロックチェーン
- 4. サトシナカモト
- 5. ホワイトペーパー
- 6. Satoshi(サトシ)
- 7. プルーフ・オブ・ワーク(PoW)
- 8. 半減期
- 9. 送金手数料
- 10. マイニング
- 11. 公開鍵と秘密鍵
- 12. ウォレット
- 13. ガチホ / HODL
- 14. 草コイン
- 15. ミームコイン
- 16. ATH
- 17. GOX(ゴックス)
- 18. ビットコインETF
- 19. ライトニングネットワーク
- 20. ビットコインマキシマリスト
- 21. CBDC(中央銀行デジタル通貨)
- 22. サウンドマネー
- 23. 通貨発行益(シニョリッジ)
- 24. 法定通貨(フィアット)
- 25. ハイパーインフレ
- 26. カンティロン効果
- 27. ビットコイン・ピザ・デイ
- 28. Not your keys, not your coins
- 29. 「The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for bank」
- 30. 「NYTimes 09/Apr/2020 With .3T Injection, Fed’s Plan Far Exceeds 2008 Rescue」
- おわりに:難しい言葉がわかると、世界が広がる!
🔰 暗号資産・ビットコインの基礎用語
1. ビットコイン / 暗号資産(仮想通貨)
インターネット上でやり取りできる「デジタルのお金」。 円やドルとは違って、国が発行してるわけじゃないのが特徴。
💡 たとえ話:「国の銀行」vs「みんなのノート」
円は、政府と銀行が管理してるお金。
でも暗号資産は、「みんなが使ってるノート」に似てる。
→ 誰か(〇〇)が誰か(××)にビットコインを1BTC送金したら、みんなのノートに「〇〇が××に1BTC送った」って記録される。
→ 誰かがズルしようと改ざんしても、他のみんなのノートと違うからすぐバレて無効化される!
2. アルトコイン
ビットコイン以外の暗号資産のこと。
例:イーサリアム、リップル、ドージコインなど。
アルトコインは、特定の技術や目的を持った多様なコインが日々生まれています。そして現在は数万種類以上のアルトコインが存在すると言われています。
ただし、すべてが価値や実用性を持つわけではありません。多くのプロジェクトが短期間で終了するため、投資や利用を検討する際は、各プロジェクトの目的や技術的背景、コミュニティの活発度などを慎重に評価することが重要です。
実際にどんな暗号資産が実在するのか確認したい場合はCoinMarketCapなどを見るとわかります。
【アルトコイン投資の失敗談】
2017年12月の話です。721万円でさまざまなアルトコインに投資していたら、バブルが発生し、一時的に5898万円まで増えました。この時はものすごく浮かれていました。

これでワイも億り人や~
しかし、あっという間にバブルが崩壊し、そこからは地獄の日々。ズルズルと価値は下がり続け、最終的には投資金額784万円が89万円ほどに…。
2020年1月に持っていたアルトコインをすべて売り、ビットコインだけ保有するように投資戦略を変更。さらに追加でビットコインを買い続けていたら、なんとか復活できました。
3. ブロックチェーン
「ブロックチェーン=みんなが使ってるノート」に似てます。
1. 「ブロック」が日記の1ページ
- 例えば、誰かがビットコインを送金すると、その「誰が、誰に、いくら送った」、という情報(データ)が、まず「ブロック」っていう箱(日記の1ページ)に貯められる
- この箱は、新しい情報がいっぱいになると、ギュッと閉じられる
2.しりとりのように「チェーン」で繋がっていく
- 日記のページ(ブロック)がギュッと閉じられたら、そのページの最後に「次のページに繋がる言葉」を書く(「りんご」とか)
- 次の新しいページ(ブロック)の一番最初にその言葉(「りんご」)を書く。さらに次のページとつなげる時は「ごりら」、その次は「らっぱ」。すると、まるでしりとりみたいに、ページが繋がっていく
3.みんなが「見張り役」
- 秘密のノートと違い、このノートは世界中のたくさんの人が、同じノートのコピーを持ってる(ソフトウェアBitcoin coreをインストールすれば、誰でもすべてのブロックチェーンデータをダウンロードすることができる)
- だから、誰かが「このページにウソ書いてやろう」とか「この前のページをこっそり消しちゃおう!」としても、他のたくさんの人が持っているノートのコピーと違うから、すぐに「あれ?このノート、おかしいぞ!」とバレてしまい、無効化される
- たくさんの人が見張り役だから、絶対にウソが書けないし、一度書いたことは消したり変えたりもできない
ブロックチェーンは、みんなが見張り役だから、ウソがつけなくて、絶対に消せない、すごい仕組み!
これがインターネットの中にあるから、世界中の人と安全に色々なやり取りができるようになりました。
4. サトシナカモト
サトシ・ナカモトは、ビットコインを生み出した謎の人。
本名も、男の人なのか女の人なのか、一人なのかグループなのか、どこの国の人なのかも、誰も知りません。
なぜ正体を隠しているのか?(本人にしか分からないけれど)
- ビットコインは、誰か一人の偉い人が管理するものではない、ということを示したかったのかも
- 自分の安全を守るためかも
サトシ・ナカモトとは「インターネット上に新しいルールのお金をそっと置いて消えた人物」「未来の火を灯して立ち去った無名の革命家」です。
5. ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは「説明書」のようなもの。
ビットコインでいうと、サトシナカモトがネットに投稿した「ビットコインの仕組みを書いた論文」がホワイトペーパーです。
ビットコインホワイトペーパーの正式タイトルは…
「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System(ピア・ツー・ピア電子通貨システム)」
「人と人が直接お金をやり取りできる電子のお金の仕組み」
ざっくりとした内容は、
- 銀行なしで、お金を直接送れる仕組み
- 不正や二重払いを防ぐ技術(ブロックチェーン)
- 全員が監視&記録するからズルできない
- 新しい通貨(ビットコイン)をコンピューターで発行する仕組み
→ たった9ページで、世界のお金の概念を変えてしまったんです。
6. Satoshi(サトシ)
ビットコインの最小単位。0.00000001 BTC = 1Satoshi。 お金でいう「1円」みたいなものです。
1BTCの価格は高額ですが、ビットコインは小数点以下の単位で取引可能なので、少額からでも投資を始めることができます。
7. プルーフ・オブ・ワーク(PoW)
プルーフ・オブ・ワーク=Proof of Work / PoWとは、直訳すると「仕事の証明」。
ビットコインはこの仕組みのおかげで不正や改ざんから守られています。
- ビットコインでは、「ブロック」という箱にみんなの取引データ(誰が誰にいくら送った)が詰め込まれている
- この新しいブロックを、これまで作られてきたブロックチェーンに繋げる時、みんなで「このブロックは本物だよ!」って確認しなきゃいけない
- そこで、何度も計算しないと答えを見つけ出せない超難問が出題される。イメージとしては、宝くじの当たり券を見つけるまで、ひたすら数字を変えてスクラッチ削りまくってる感じ。運要素強め。これを大勢で競い合う
- 競争に勝って、一番早く答えを見つけた人が、その新しいブロックをブロックチェーンに繋げる権利をもらえる。そして、ご褒美(報酬)として新しいビットコインがもらえる
なぜ、わざと難しくしているのか?
これは、誰かが勝手に取引を書き換えるのを大変にするためです。
悪意ある人がブロックチェーンを改ざんしようとしても、同じ計算をまたやり直さなきゃいけない。めちゃくちゃ時間がかかるし、コンピューター上で大量の計算をするのでものすごく電気代がかかる。
ちなみに、出題される超難問はだいたい10分程度で解けるよう、約2週間に1度調整されます(プログラムで自動に行われる)。
8. 半減期
プルーフ・オブ・ワークの報酬としてもらえるビットコインの量が、約4年に1度、半減してしまうイベントのこと。
なぜそんなことをするのか?
ビットコインは、最初からプログラムコードで「発行上限は 2,100万枚まで!」と決まっています。無限に増えないようにして、価値を落ちにくくしているのです。
だから、あえて報酬が「だんだん少なくなる」ようになっています。
具体的には、
- 2009年~:報酬50BTC(1ブロックごと)
- 2012年~:報酬25BTC(1ブロックごと)
- 2016年~:報酬12.5BTC(1ブロックごと)
- 2020年~:報酬6.25BTC(1ブロックごと)
- 2024年~:報酬3.125BTC(1ブロックごと)
さらに詳細を知りたい人は↓
半減期は全部で33回。2140年頃に、発行上限の2100万枚に達すると推測されています。
では、半減期があることで、どんな影響があるでしょうか?
9. 送金手数料
ビットコインの送金手数料とは、封筒やハガキに貼る切手のようなもの。
手数料を支払うことで、ビットコインネットワークにちゃんと記録してもらえます。
ビットコインの送金はソフトウェアやアプリなどのツールを使って行うのですが、その時に送金手数料を設定します。
- ビットコインネットワークが混んでない時:数十円~数百円程度
- ビットコインネットワークが混んでる時:数千円かかることも!
手数料を高く設定すると優先的にビットコインネットワークに記録してもらえます。
低く設定すると記録が後回しになり、処理されるまでに数時間~半日かかることもあります。
10. マイニング
マイニングとは、ビットコインの取引をチェックして、ブロックに記録して、その報酬として新しいビットコインをもらう作業のこと。要するにプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のことです。
なぜ「マイニング=採掘」というのか?
それは、ビットコインはデジタルの金(ゴールド)とよく言われるからです。
それを見つけ出す作業が、金の採掘(マイニング)っぽいことからこの名前になりました。
また、マイニングする人(組織)のことを「マイナー」と呼んでいます。
マイナーはマイニングに成功すると、
- ビットコイン報酬
- ブロック内のそれぞれの取引データの送金手数料
を得ることができます。
マイニング作業は専用のソフトウェアなどを使うことででき、昔は家庭用PCでも報酬を得ることができました。
しかし現在は産業レベルの競争になっており、超高性能な専用マシン(ASIC)を大量に使用して行われています。
11. 公開鍵と秘密鍵
「公開鍵」と「秘密鍵」は、ビットコインなどのデジタルのお金(暗号資産)を安全にやり取りするための大切な「2つの鍵」。
- 公開鍵(例):1A1zP1eP5QGefi2DMPTfTL5SLmv7DivfNa(ちなみにこれはサトシナカモトのビットコインアドレス)
- 秘密鍵(例):e9873d79c6d87dc0fb6a5778633389dfa9d19b61a4f0c5d9c9a1fbb1b8e3bfb6(実際には存在していないものを例として出しています)
💡 たとえ話:ポストとカギ
「公開鍵」は、みんなに教えても大丈夫な「住所」
- 誰かから封筒やハガキを送ってもらう時、相手にあなたの住所を教えてあげる必要がある。ビットコインでいう「公開鍵」は、まさに「あなたの暗号資産の住所」のこと
- あなたにビットコインを送ってもらう時、この公開鍵から作られる「アドレス(住所)」を相手に教えることになる
- このアドレスは、誰に教えても大丈夫! だから「公開」鍵と呼ばれている。みんなに教えることで、みんながあなたにビットコインを送れるようになる
「秘密鍵」は、絶対に誰にも見せちゃいけない「ポストの鍵」!
- あなたの家のポストには封筒やハガキが届く。そのポストを開けるための「鍵」は、絶対に誰にも使わせてはならない、大切な鍵。自分だけが持っていて、これがないと中身を取り出せない。
- ビットコインでいう「秘密鍵」は、まさに「あなたの暗号資産を自由に取り出し使うための、たった一つの鍵」のこと
- この秘密鍵がないと、あなたのアドレスに届いたビットコインを他の人に送ったり、使ったりすることができない
- だから、この鍵は絶対に誰にも見せてはいけないし、なくしてもいけない! もし誰かに知られたり、なくしたりしたら、あなたのビットコインは全部盗まれちゃうか、二度と使えなくなってしまう
公開鍵、秘密鍵はアプリなどのツールを使えば誰でも作れて、自分でビットコインを管理できるようになります。
もう少し正確に言うと、ビットコインの保有データはすべてブロックチェーン上に記録されているので、秘密鍵を使うことで、ブロックチェーン上のあなたのビットコインを送金(ほかのアドレスに所有権を移す)ことができる、という認識です。
12. ウォレット
ウォレットとは、ビットコインなどの暗号資産を「保管」「受け取り」「送る」ためのアプリや仕組みです。
ウォレットには次の2つを作れる機能があります。
- 公開鍵(アドレス)
- 秘密鍵(プライベートキー)
ウォレットには、主に2種類が存在します。
- ホットウォレット:スマホのアプリや、パソコンのソフトウェアのウォレット。いつもインターネットに繋がっているデバイスにインストールされているので、すぐに送金できたり便利だけど、ハッキングなどには気をつける必要がある
- コールドウォレット:紙にアドレスと秘密鍵が印刷されているペーパーウォレットや、USBメモリみたいな小さな機器で管理するハードウェアウォレットがある。普段はインターネットから切り離されているから、とっても安全!ただし、秘密鍵はなくさないように気を付ける必要がある
↓ハードウェアウォレットの例(Ledger社のもの。送金などする時はパソコンにつないで操作する。Amazonなどで買える(販売元がLedger公式であることを確認する))
13. ガチホ / HODL
ビットコインや暗号資産を「売らずに、ずっと持ち続ける」ことを意味する言葉です。日本語でいうと「ガチでホールド(本気で持ち続ける)」の略語。
そもそも「HODL」とは?
2013年12月18日、ビットコインの価格が大きく下落していた時でした。
そんな中、Bitcointalkというビットコインに関する有名なインターネット掲示板に、「GameKyuubi」というユーザーが「I AM HODLING」というタイトルの投稿をしました。
彼は、自分がトレーダーとして下手であることを認め、「売るのではなく、ただ持っておく(holding)べきだ」という感情的な内容を投稿したのですが、その際に「holding」を誤って「HODLING」と綴ってしまったのです。
この投稿は、価格が急落する中でパニックになっていた多くのビットコインユーザーの共感を呼び、瞬く間に広まりました。彼の「酔っぱらったような、でも本質を突いた」投稿は、暗号資産コミュニティで伝説となり、この誤字である「HODL」が「どんなことがあっても売らずに持ち続ける」という意味のスラングとして定着したのです。
この面白い誕生秘話も、ビットコインや暗号資産文化のユニークな側面の一つとして語り継がれています。
↓「I AM HODLING」の投稿
【俺は売らねぇ!】
タイトル、2回タイプした。1回目で間違ってるの分かってた。でも2回目も間違ってた。まぁいいや。
彼女はレズビアンバーに行ってるし、ビットコインは大暴落中。なのに俺はホールドしてる。なぜかって?教えてやるよ。
俺は下手くそなトレーダーだって分かってるからだよ!!!
お前ら優秀なトレーダーはさ、天井も底も見極めて「ぴたっぴたっ」と完璧なタイミングで売買して、「ハイ、100万ドルゲット!イージーだぜブラザー!」みたいな顔してんだろ。
一方で“弱小プレイヤー”たちは、「あああ下がってる!売らなきゃ!」って慌てて手放して、後から「うわあああマジでやっちまった!」ってなるんだよ。
そのとき、本物のトレーダーたちが買い戻す。
でもな?俺はそんなグループにいないんだよ。
俺はもうすでにマーケットの一部なんだよ。だから!お前らが搾取してるのは俺じゃない! デイトレーダーよ、残念だったな!
「今売っておけばよかったのに〜」とか煽ってくるスレ?知ってるよ、売っておけばよかったってことぐらい。
そりゃあ、毎回売る直前に売って、買う直前に買えれば最高だよ!?でもそんなの無理だろ!!!お前らみたいに完璧じゃねーんだよ!
ベアマーケット(下落相場)で売るのは、よっぽど上手いトレーダーか、幻想に踊らされてる初心者だけだ。その中間にいる俺たちは、ホールドするんだ。
このゲームはゼロサム(誰かが得すれば誰かが損する)なんだ。
だからな?
売らなければ、ヤツらは俺たちから何も奪えないんだよ。
えーと、ウイスキー飲んでたんだ。
いやラベル見たら「whisky」って書いてあったけど。
まぁいいや。訴えたきゃ訴えてくれよ。(ただし支払いはBTCでな)
14. 草コイン
草コインとは、価格が非常に安く、知名度の低い暗号資産のことです。
名前の「草」は、ネットスラングで「笑い(w)」を意味し、「こんな通貨あるの!?w」とツッコミたくなるような存在から来ています。
1円以下で買えるものも多く、SNSの話題やミームで一時的に急騰することもありますが、その多くは中身が薄く、詐欺や無価値なものも少なくありません。まさに仮想通貨界の“宝くじ枠”。夢はあるけど、現実はかなり厳しい──それが草コインです。
【草コイン投資の失敗談】
15. ミームコイン
ミームコインとは、インターネット上で流行する画像やジョーク(ミーム)からインスピレーションを受けて作られた暗号資産のこと。例えば、柴犬の犬種をモチーフにした「ドージコイン(DOGE)」や「シバイヌ(SHIB)」などが有名です。
これらのコインは、特定の技術的な革新性や明確な実用性よりも、コミュニティの熱狂やインターネットでの流行、著名人の発言などによって価格が変動しやすい特徴があります。まるで、一時的に爆発的に流行するおもちゃやグッズに似ています。
そのため、非常に短期間で価格が急騰することもあれば、急速に下落するリスクも伴います。投資としては投機的な要素が強く、「草コイン」の一種として認識されることも多いです。
16. ATH
ATHとは、「All-Time High(オールタイムハイ)」の略で、暗号資産や株などの価格が、「これまでの歴史の中で一番高くなった値段」を意味する言葉です。
日本語では「過去最高値」や「史上最高値」と訳されます。
例えば、ビットコインの価格が「ATHを更新した!」と言われたら、それは「ビットコインの値段が、これまでのどんな時よりも一番高くなったよ!」という意味になります。
17. GOX(ゴックス)
GOX(ゴックス)とは、ビットコイン取引所「Mt.Gox」が大量のBTCを失った大事件が由来の、「暗号資産を盗まれる・消える・失う」の意味で使われるネットスラング。
使い方例:「秘密鍵なくしてBTC全部GOXした…(=全部消えた)」
Mt.Gox(マウント・ゴックス)は、かつて世界最大のビットコイン取引所でした(東京に本社があった)。
2014年2月、約85万BTC(当時の価値で約470億円!)が消失したと発表。その結果、
- ユーザーの資産が引き出せなくなる
- 会社は破綻(民事再生法申請)
- 世界中で「ビットコイン=危険」のイメージが広がる
ビットコインが消えた理由は、長年のハッキングや内部管理のずさんさ。会社のシステムのバグに気付かないまま、数年にわたり盗まれていたと後に発覚しました。
※なのでビットコイン自体に問題があったわけではありません
この事件はビットコインの信用が揺らいだ瞬間でもあり、今も「資産は自分で管理すべき」という教訓として語り継がれています。
18. ビットコインETF
ビットコインを間接的に買える投資商品のこと。
ETFとは…上場投資信託
ビットコインETFには、主に2種類があります。
- 現物ETF:実際のビットコインを保有するタイプ ←こっちが注目!
- 先物ETF:価格の予想チケットを取引するタイプ(ビットコインは保有しない)
2024年1月にアメリカで現物ETF(IBITなど)が初めて承認され、大注目されました。
この記事を書いている時点では日本での取り扱いはまだありません。
しかしアメリカでは、わざわざ暗号資産取引所で口座開設しなくても、証券口座を持っている人なら株を買うように、気軽にビットコインETFを購入することができるようになりました。
そのため、機関投資家も個人も参加しやすくなり、価格にも大きな影響を与える存在になっています。
19. ライトニングネットワーク
ライトニングネットワークとは、ビットコインをすばやく・安く送るための仕組み。
本来のビットコインは「送金に時間がかかる・手数料が高い」ことが弱点でした。それを解決するために登場したのが、このライトニングネットワークです。
💡たとえ話:本線(本体)と裏道(ライトニング)
ビットコイン本体の送金は「高速道路」みたいなもの。混むと渋滞(遅い)&料金(手数料)が高い!
でもライトニングネットワークは、「あらかじめ仲間同士で裏道を作っておく」イメージ。
→ その裏道でやり取りすれば、超速・ほぼ手数料ゼロで送金できる!
具体的にできること
- 超速送金:数秒で着金する(即時決済が可能)
- 手数料ほぼゼロ:通常のビットコインより激安
- 小額決済に向いてる:カフェでコーヒーを買うような少額でもOK
- グローバル送金も可:国境を越えても数秒&格安で送れる
どうやって動いているのか?
- まずAさんとBさんで「支払い用のチャンネル」を開く(=一度だけBTCを送って開通)
- その中で何度でもやり取りできる(記録はオフチェーンで軽い)
- 最後にチャンネルを閉じるときだけ本体のブロックチェーンに結果を記録
つまり「まとめて清算」スタイル!
ちなみに、AさんとBさんが直接つながっていなくても、同じネットワーク上にいればOK。そうすれば、中継チャンネルを通じて支払いは可能です。
例:Aさん → Xさん → Yさん → Bさん
ライトニングネットワークの使い道
- ビットコイン決済に対応したお店(海外では増加中)
- スマホアプリでの即時送金(例:Strike, Wallet of Satoshi など)
- 国際送金(銀行より速くて格安!)
これによって、ビットコインはただの「デジタル資産」だけでなく、日常の支払いにも使える通貨になろうとしているのです。
20. ビットコインマキシマリスト
ビットコインマキシマリストとは、「ビットコインこそが唯一無二の、真のデジタル通貨であり、将来、世界の基軸通貨となる」と強く信じている人たちのことです。
彼らは、ビットコインの分散性、発行上限、非中央集権性といった特徴を最も高く評価し、イーサリアム(ETH)などの他の暗号資産(アルトコイン)には、ビットコインほどの本質的な価値や長期的な持続性はないと考えています。
ミームコインやDeFi、NFTといった最新のトレンドにも懐疑的で、ビットコインに全ての価値が集約していくと主張することが多いです。
彼らは中央集権に対抗し、政府や銀行に依存しない真の“デジタルゴールド”としてのビットコインの思想を重視しており、通貨革命の中核としてビットコインだけを信じ抜く姿勢が特徴です。
21. CBDC(中央銀行デジタル通貨)
CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは、「Central Bank Digital Currency」の略で、各国の中央銀行(日本なら日本銀行)が「円」や「ドル」と同じように発行する「デジタルのお金」のこと。
私たちが普段使う現金(紙幣や硬貨)が、そのままデジタルになったものだと考えると分かりやすいでしょう。
ビットコインなどの暗号資産と違い、CBDCは国がその価値を保証する法定通貨であり、価格が大きく変動することはありません。電子マネーとも異なり、特定の企業が発行するのではなく、国が発行・管理します。
CBDCの導入は、決済の効率化や現金を管理するコストの削減、さらにはマネーロンダリング(資金洗浄)防止などの目的で、世界各国で研究や実証実験が進められています。
ただし、「プライバシーが監視されるのでは?」という懸念や、ビットコインのような非中央集権通貨とは真逆の仕組みという点で、議論が分かれています。
22. サウンドマネー
サウンドマネーとは、「価値が時間とともに安定していて、信用できるお金」という考え方のことです。
簡単に言えば、「長持ちして、あまり価値がブレない、しっかりしたお金」を指します。
例えば、昔から「金(ゴールド)」がサウンドマネーの代表とされてきました。なぜなら、金は急に量が増えることがなく、腐ったりしないため、いつの時代もその価値が安定しているからです。
現代の多くの国の通貨(円やドルなど)は、政府や中央銀行が発行量を調整するため、インフレ(物価上昇)などで価値が少しずつ下がることがあります。
ビットコインは、発行量の上限が決められており、誰にも勝手に増やせない仕組みのため、この「サウンドマネー」の特性を持っていると考える人も多く、その価値が注目されています。
23. 通貨発行益(シニョリッジ)
通貨発行益(シニョリッジ)とは、政府や中央銀行が「お金を作ることで得られる利益」のこと。
たとえば、紙幣1万円を印刷するコストはたったの数十円程度。それを1万円として使えるので、ほぼ丸ごと儲けになります。
この仕組みにより、国は税金以外でも財源を得られますが、過剰に通貨を発行すればインフレ(物価上昇)や通貨価値の下落を招きます。
現在の日本の主な通貨発行益(シニョリッジ)の源泉は、「政府の国債発行 + 日銀の市場からの国債買い取り」。
日銀が国債を買うことの問題点
- 政府が「借金しても、どうせ日銀が買ってくれるし」と思えば、財政規律が緩む(実際に税金の無駄遣いは多く、なかなか修正されない)
- 通貨を発行しすぎると、インフレや円安リスク
- 将来的に「出口(=国債を手放す)」が難しい:日銀が国債を売るとなればその分金利が上昇し、個人なら変動金利住宅ローンの利息が増える、企業なら借金の金利が上がり、投資や雇用が減るなどの悪影響が出る
ビットコインのように発行量が制限されている通貨には、この通貨発行益(シニョリッジ)が存在しないという特徴があります。
24. 法定通貨(フィアット)
法定通貨(ほうていつうか)は、私たちが普段使う円やドルなど、国が「これは公式なお金だ!」と法律で定めている通貨のこと。英語では「フィアット(Fiat)」とも呼ばれています。
その価値は、金(ゴールド)のような物質的な裏付けがあるわけではなく、発行している国の信用や経済力によって支えられています。国が「これで税金が払える」「みんなこれを使って取引してね」と保証することで、その価値が成り立っているのです。
中央銀行が発行量を調整できるため、経済状況に応じてコントロールされます。
ビットコインのような、国が管理しない暗号資産と対比して使われることが多い言葉です。
25. ハイパーインフレ
ハイパーインフレとは、物の値段(物価)がとてつもない速さで、止まらなく上がり続けることを指します。例えば、昨日100円だったパンが、今日には1000円になり、明日には1万円になる、といった異常な状態です。
これは、国が経済のバランスを崩し、お札(通貨)を必要以上に大量に発行してしまい、そのお金自体の価値が急激に下がることが主な原因です。
まるで、おもちゃのお金をたくさん作りすぎると、誰もが簡単に手に入れられるようになり、誰もそれを欲しがらなくなるので価値がなくなっていく、のと同じです。
有名な例として、1920年代のドイツや2000年代のジンバブエでは、紙幣が紙くずになり、人々が買い物にリアカーで札束を運んでいたというエピソードもあります。
26. カンティロン効果
新しくお金が経済に出回るとき、最初に受け取った人ほど得をし、後から受け取った人ほど損をする可能性があるという現象のこと。
経済学者のリチャード・カンティロンが提唱した考え方です。
💡たとえ話:先生からおこづかい
たとえば、先生がみんなにおこづかいを配るとする。
でも、前の席の子から順番に渡していって、最後のほうの子には時間がかかっちゃう。
そのあいだに何が起きるか?
- 先にもらった子はすぐにお菓子を買える!
- でも、あとからもらった子が買おうとしたら… → 「売り切れ!」「値段が上がってる!」
お金を早くもらえた人がトクをして、遅かった人はソンしちゃうってこと。このしくみを「カンティロン効果」という。
実際には、国や中央銀行が新しいお金を刷ると、一番近い人たち(例えば、大きな銀行や、政府と取引のある大企業)のところに、一番早く届きます。
その頃はまだインフレなどは起こっておらず、物や資産をたくさん買うことができます。
その新しいお金が、だんだん世の中全体に広まっていくと、物の値段が上がり始めます(インフレになる)。
後からお金を受け取った人たち(サラリーマン・中小企業・一般庶民など)は、すでに物の値段が上がってしまっているから、買える物の量が減ってしまいます。
このようにして格差はますます広がっていきます。
27. ビットコイン・ピザ・デイ
ビットコイン・ピザ・デイは、世界で初めてビットコインが使われた日を記念する日です。毎年5月22日に祝われています。
2010年のこの日、アメリカのプログラマー「ラズロ・ハニエツ」さんが、1万BTC(ビットコイン)を使って、ピザ2枚を買いました。
当時は「ビットコインって何?」という人ばかりの時代で、1BTCの価値はほとんどありませんでした。でも今では、1万BTCは何百億円レベルの価値!
つまり、人類史上“最も高価なピザ”を食べた男として有名になったのです。
この出来事は、「ビットコインが初めてモノと交換できた瞬間」として、仮想通貨の歴史に残っています。
それをみんなで思い出し、祝うのが「ビットコイン・ピザ・デイ」。実際にピザを食べてお祝いしている人も多いです。
28. Not your keys, not your coins
「Not your keys, not your coins」は、「あなたの鍵でなければ、あなたのコインではない」という意味の、ビットコインや暗号資産の世界でとても大切な格言です。
例えば、あなたがビットコインを暗号資産取引所に預けている場合、そのコインの「秘密鍵」は取引所が管理していることになります。
そんな時にもし取引所がハッキングされたり、破綻したり(GOXしたり)すると、あなたの秘密鍵ではないため、預けていたコインを取り出せなくなるリスクがあるのです。
だから、ビットコインを本当に自分の資産として守りたいなら、自分のウォレット(特にハードウェアウォレットなど)を用意し、自分で秘密鍵を管理することが大切なのです。
29. 「The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for bank」
日本語に訳すと、
「2009年1月3日付 THE TIMES紙:財務大臣、2度目の銀行救済が目前に」
となります。
イギリスの新聞「THE TIMES」の、2009年1月3日の見出しです。
そしてこの見出しの言葉は、サトシナカモトがビットコインの一番最初のブロック(ジェネシスブロック)をマイニングした際に、ブロック内に刻まれました。
「The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for bank」
※ビットコインのブロックには、マイニングに成功した人が簡易なメッセージを入れることができる
※ジェネシスブロックは2009年1月3日にマイニングされたので、この日が「ジェネシスブロック・デー(Genesis Block Day)」と呼ばれている
この文章はただのニュースの引用ではなく、サトシナカモトが込めた強烈なメッセージなんです。
その理由は、「政府や銀行が好き勝手にお金を作って、ダメな銀行を助けるような社会はおかしい。だから、政府に操作されない新しいお金(=ビットコイン)を作るんだ!」という意思表示になっているから。
このメッセージが意味するもの
- 政府による通貨の乱用(=大量発行で価値が下がる)への不信
- 銀行を何度も税金で救済する仕組みへの反発
- 「中央のコントロールがない、自由なお金」を目指したビットコインの思想の象徴
この一文は、ビットコインがなぜ誕生したのかを物語る“刻印”です。
「お金の仕組みを変えたい」という願いが、ビットコインのはじまりには込められているのです。
では、銀行は救済しないほうが良かったのでしょうか?
救済しないとどうなるか?
つまり、1つの銀行の破綻が、社会全体のパニックを引き起こす可能性もあるのです。
なのに、サトシナカモトはやっぱり、政府が銀行を救済することには反対の姿勢です。その思想を深掘りしていきましょう。
1.「政府による通貨のコントロール」に対する根本的不信
サトシナカモトは、政府が通貨を発行しすぎて通貨の価値を下げること(=インフレ)、そしてその犠牲になるのは何も悪いことをしていない一般市民である、という構造に強い問題意識を持っていました。
「通貨発行の力はあまりに強すぎる。その力を一部の人間や組織に持たせてはいけない。」
2. 救済は一時しのぎでしかない
サトシが初期フォーラムで書いたコメントの中にも、「銀行を救っても、構造は何も変わらない。問題を先送りしているだけだ」という趣旨の発言があります。
経済の新陳代謝を止めてしまえば、不健全なゾンビ経済が永遠に延命され、結果として未来の世代にツケを回すことになってしまうのです。
政府による救済措置は、
- インフレという形で社会全体に被害が及ぶ
- 本来なら潰れているはずの企業が淘汰されずゾンビ企業として生き続け、経済の効率が悪くなる可能性がある
- 「また何かあれば政府が助けてくれる」となり、モラルハザードが起きる
※モラルハザード:「どうせ誰かが助けてくれる」と思って、本来なら注意すべき人が無責任な行動をとってしまうこと。結果として危険や事故の発生確率が高まり、規律が失われてしまう
3. 「自分の資産は自分で守る」べきという思想
これは「Not your keys, not your coins.(あなたの鍵じゃなければ、それはあなたのコインじゃない)」という言葉にも象徴されています。
「銀行に預けるだけでは安心できない。自分の資産は、他人や中央に頼らず、自分で管理できる世界をつくるべきだ。」としています。
4. 「政府の力は限定的であるべき」
これは自由主義(リバタリアニズム)的な発想に通じます。
政府はルールを守らせる最低限の機能を持つべきで、「経済そのものを操ろうとする」のは間違いだ、という考え方です。
ビットコインのプログラムコードは、“人を信用しない代わりに、仕組みで信頼をつくる”ように設計されているのです。
救済するべきかしないべきか、どちらが「絶対に正しい」とは言えませんが、ビットコインが生まれた理由を理解する上で、サトシナカモトの思想を知ることは大切です。
30. 「NYTimes 09/Apr/2020 With .3T Injection, Fed’s Plan Far Exceeds 2008 Rescue」
日本語に訳すと、
「2020年4月9日付 NYTimes紙:2.3兆ドルの資金注入─ FRB(アメリカの中央銀行)の今回の計画は、2008年の救済をはるかに超える」
となります。
アメリカの新聞「ニューヨーク・タイムズ」の、2020年4月9日の見出しです。
そしてこの言葉は、ビットコインの3回目の半減期(2020/5/11)の直前のブロック(629,999)に、中国の大手マイニングプール「F2Pool」によって刻まれました。
※マイニングプール:たくさんの人と協力しながらマイニングを行い、報酬はみんなで山分けするチームのようなもの
2008年は「リーマンショック」と呼ばれる世界的な金融危機が発生し、多くの銀行が潰れそうだったので、政府が大規模な公的資金を注入して救済しました。
2020年4月は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、世界経済が再び大きな危機に直面。FRB(アメリカの中央銀行)はこの危機を乗り越えるため、かつてないほどの規模で金融支援を打ち出します。なんと2008年の救済策の3倍以上!2.3兆ドルです。
具体的には、
すると何が起こったでしょうか?
コロナ時の救済策は、短期的に経済を守りました。 しかし結果として、大量のお金が市場に出て、インフレを加速させました。
これは「お金を刷れば景気がよくなる」の裏側にある、代償としての「お金の価値の低下」です。
「NYTimes 09/Apr/2020 With $2.3T Injection, Fed’s Plan Far Exceeds 2008 Rescue」
このメッセージは、2009年のジェネシスブロックに刻まれた新聞見出しへのオマージュ(敬意)となっています。
- 2009年 → サトシ:「政府はまた銀行を救済しようとしている」
- 2020年 → F2Pool:「FRBが史上最大の救済策をぶち上げた」
つまり、「時代は変わっても、問題の本質は変わっていない」と強く訴えるメッセージなんです。
ビットコインの半減期の意味についても考えてみましょう。
- 半減期とは、マイナーへの報酬が半分になる節目。「新しいビットコインの供給量が減る(増えるスピードが落ちる)」=インフレ圧力が弱まる設計。
- 一方その頃、政府(FRB)は「通貨を爆発的に増やしていた」
→「通貨の増加量を減らすビットコイン」と「通貨を増やす中央銀行」の対比が強烈に浮き彫りになった瞬間です。
この日以降、ビットコインの支持が一気に加速しました。
2020年春以降、ビットコインは急上昇。「インフレヘッジ資産(インフレから身を守る資産)」として再評価され、機関投資家も参入。結果、2021年には史上最高値(6万ドル超)を更新しました。
おわりに:難しい言葉がわかると、世界が広がる!
ビットコインや暗号資産の世界は正直難しいことだらけです。
しかし、ひとつひとつの言葉を、なんとなくでも理解していければ、少しずつ全体像が見えてきます。
知らない世界を知ることは、ちょっと勇気のいる第一歩かもしれません。
でも、それは未来の自分のための「種まき」でもあります。
「なんとなく分かったかも…!」と思えた今こそ、ぜひ実際に体験してみてください。
初心者でも迷わない【コインチェック登録&購入の全手順】は、こちらの記事にまとめています↓

自分で触れてみることで、さらに理解が深まり、自信にもつながりますよ!