FXトレードを始めた当初は、全然勝てませんでした。
上がると思って買えば下がるし、下がると思って売れば上がる…。予想が当たって含み益が増えて「もっと上がる!」と思っていたら価格が戻ってきて結局損切り…。
どうやっても勝てません。
「FXはルール通りやれば勝てる」という言葉を聞いたことがありますが、その真意が全く理解できませんでした。
「FXは勝てるわけがない…」
実はこれ、本質を突いています。僕は納得のいく勝ち方ができるようになっても、未だに「本来FXは勝てるはずがないんだ」と思いながらやっています。
そこで今回は、「FXは勝てるわけがない…」という気付きが本質を突いている理由について説明していきたいと思います。
なぜ「FXは勝てるわけがない」のか
あなたはどちらのサッカーチームが勝つか100%当てられるか
今あなたはサッカースタジアムにいます。
この試合、どちらが勝つか100%当てることができるでしょうか?
どちらのチームのほうが世界ランクが高いか、どちらのほうが最近の戦績が良いか、どちらに調子のいい有力選手がいるか。こうした材料をもとにある程度の予想は立てられるかもしれません。
しかし、勝負に絶対はありません。
応援しているチームの有力選手が途中で負傷するかもしれませんし、敵チームに大型新人がいるかもしれない。番狂わせが起こる可能性もゼロではないのです。
そのため、勝敗を100%予想することはムリなのです。
将来は不確実であり、何が起こるか誰も当てられないので、100%的中させることはムリ
ただ、五分五分でもないですよね。世界ランク1位のチームと100位のチームの試合なら、1位のチームが勝つほうが確率は高いです。
確率的に勝てそうな方に賭ける
その点で、試合の勝敗予測とFXのチャートの行方を予想することは似ています。
ですが残念なことに、FXはもっと難易度が高いです。
あなたはどちらのチームが次にゴールするか当てられるか
なぜサッカーの勝敗予測よりも、FXのチャートの行方を予想するほうが難易度が高いのか。
2つの違いは終わりがあるか、ないか、です。
サッカーの試合には制限時間があります。だから時間が来れば強制的に終了。得点の高いほうが勝利となります。
しかし相場の世界に制限時間などありません。終わりは自分で決定しないといけないのです。こうした性質から、FXは、まるで制限時間のないサッカーの試合で、次にどちらのチームがゴールするか予想するようなもの。
といっても、制限時間がない分、ルールは自分で決めることができます。
例えば、
「次にゴールするチームを予想して、予想が当たれば勝ち」
「これからの5回のゴールのうち、ゴールが多かったチームを予想できれば勝ち」
「これから100回のゴールのうち、ゴールが多かったチームを予想できれば勝ち」
のように。
次のゴールだけで勝敗を決めるのはギャンブルに近いです。敵チームがまぐれでゴールしてしまう可能性もあるから。
5回のゴールの結果で勝敗を決めるのは、少しギャンブルが入っていますが、実力のあるチームに賭ければ勝率は良さそう。
100回のゴールの結果で勝敗を決めるのは、長期的な判断であり、真に実力のあるチームに賭けていれば勝率はだいぶ高そう。
FXはこの考え方にとても似ていると思っています。
FXは勝率の高いほうに賭け、上手に負けることが大切
「FXで勝てる人」の本当の意味は、「FXをしていれば負けることも当然あるけど、負ける時は上手に負け、結果的にトータルで利益を残せる人」となります。
例えば、よく「FXはトレンドに乗れ」と言われますが、相場には流れがありますから、その流れに逆らわずトレードすることが大事なのです。流れの方向性がハッキリしているのに、わざわざ逆に賭けていたら負ける確率が上がってしまいますから。
また、負け方も重要です。FXでは「損切りが大事」と言われます。
サッカーの例で言うと、「これからの5回のゴールのうち、ゴールが多かったチームを予想できれば勝ち」というルールで賭けていたとします。損切りがうまい人は敵チームが3回ゴールを決めてしまった時点で自分の負けを認め、賭けを終了させます。
しかし、損切りが下手&出来ない人は、敵チームがすでに3回ゴールを決めているのに、合計5回のゴールが終わるまで見届けていたり、5回を超えた後も、応援していたチームのゴール数が敵チームのゴール数を上回るまで粘って観戦していたりします。自分のルールを守れず、いつの間にか完全ギャンブルになってしまっているのです。
自分で決めたルールを守れるか守れないか、これだけで大きな差が生まれてきます。
終われない人は一生勝てない
損切りができるようになっても、利確ができなければ一生勝つことはできません。
含み益が出てきて嬉しくなって「もっと利益を伸ばしたい!」といった気持ちが芽生えてくることがあるかもしれません。しかしこれは危険信号です。
なぜなら、利確ができなくなっているから。
先程も言った通り、将来の行方は誰も100%的中させることはできません。ということは「これからもっと含み益が増えるかもしれないし、減るかもしれない」と常に自分に言い聞かせる必要があるということ。
含み益が増えればいいですが、減った時のことも考えて、常にどこで利確するかを用意しておかなければならないのです。
サッカーの例で言うと、「これからの5回のゴールのうち、ゴールが多かったチームを予想できれば勝ち」というルールで、応援していたチームがすでに3回のゴールを決めて勝ちが決定していたとします。今後はゴール数が敵チームより増えるごとにボーナスがもらえますが、万が一敵チームのゴール数が上回ってしまった場合は一転負けになってしまうルール。
この時に、もう賭けを終了して確実な勝ちを受け取るのか、あと2回のゴールの結果だけ見届けて賭けを終了させるのか、応援チームのゴールが続く限り賭けを続けるのかで、結果は異なってきます。
大事なのは欲望に従うのではなく、自分のルールに従うこと
FXトレードでは、負け方と終わり方に自分なりのルールを定めることが基本であり、最も大事なことなのです。
まとめ
FXは相場の流れを自分なりに分析し、勝てそうなほうに賭ける。たとえ勝てそうでも、勝負に絶対はなく、トレードを開始したら負け方と終わり方を常に意識する必要がある。
迷いが生じた時は、欲望に従うのではなく、自分のルールを言い聞かせてその通りに実行する。
これができるようになって、ようやくスタートラインに立つことができます。