父になってから、いつか子どもに「お父さんすごい!」と言われたい欲現る。
そんなことで逆立ちの練習を始めた30代。壁なしで10秒程度できるようになりました。
さて、子供とお絵描きして遊んでいる時、自分の絵の平凡さに気付きました。そりゃ今まで絵なんて上手くなろうとも思わなかったし、モノづくりとか美術の授業はちょっと好きだったけど極めようなんて考えたこともないんだから当たり前です。
でもふと「お父さん絵上手!」と言われたいと思ってしまいました。
毎日同じような日々を繰り返しているとうつになりそうですが、こう新しいことにチャンレジして没頭してみると人生に悩む時間が減って気持ち的にもいいんですよね。ということでレッツデッサン!
2022年7月5日、絵を描こうと決意!
今はYouTubeとかで絵がうまい人の作業風景などをいくらでも見ることができるので良い時代です。絵を上達させるには、まずデッサンが基本かなと思ってデッサンの練習を始めることにしました。
いろいろ調べてみると、いろんな濃さ・硬さの鉛筆やねり消しが必要なんだとか。さっそくダイソーで「デッサン鉛筆」を、ホームセンターでねり消しを購入しました。
デッサンの練習もいつまで続くか分からないのでまずは安い道具を揃えて始めることにしました。
デッサンではよくリンゴを描くらしい。でも今の僕が描くなら↓な感じです。
でもこれじゃあデッサンぽくないので思うままにリンゴをデッサンすると…↓
いや無理やろっっっ!!!
リンゴを上手く描く人はたくさんいますが、どうやってあそこまでのクオリティを出しているのか見当もつきません。クソみたいなリンゴしか描けなかったことで一旦デッサンに挫折しました。
続いて、YouTubeを見ながら見よう見真似で水滴と、紙コップを途中まで描きました。
なんやこれ?ようわからん…
自分にはあまりにも知識が不足いていると思い、いろんな人のYouTubeやブログを見る日々が始まりました。
影?陰?反射光?デッサンとは光を描くことか!
勉強していくうちに、デッサンとは影(陰)も含めて”光”を紙に表現していくことだと悟りました。だって世の中のものは目に届く光で認識しているんだもんね。
この時、感覚的にですがデッサンというものを1mm程度理解した気がしました。
そして家にあったボトルを描いてみると…?
下手くそなのは承知の上ですが、テーブルとの接地面が一番暗いこと、ボトルの陰の下のほうがテーブルからの反射光で若干明るいこと、右上から光が当たっている、といったことを意識して描くことができました。
次にkindleのデッサン。
3日くらいかかりました。kindleが分厚くなってしまいました。この時、デッサンでは視線を一定にすることが大事であることを学びました。あと画面の鉛筆の写真は難易度が高いので初心者が描くもんじゃないわな。
本屋で自分がどんな絵を描きたいのか考える
漠然と絵が上手くなりたいと思って始めたデッサン。でもデッサンのその先に、自分はどんな絵を描きたいのだろう?
本屋に行ったら何か思うことがあるかもしれない。いろんな本を手に取っていくうちに「動物が描けたら子ども喜ぶんじゃない?」と思い、動物デッサンの本を衝動買い。
こういう絵が描けるようになりたい!でもデッサンでは描くもの(モチーフ)の構造とかも重要らしく、骨格から理解しているほうがいいみたい。
てことで犬の頭蓋骨を描いてみることに。
これを描いている時に、陰の具合でへこんでいたり、立体的に見えることをかなり実感しました。この時はだいぶ興奮していました。
そして次に調子に乗ってトトロのぬいぐるみを描いてみると…、
ぬいぐるみのモフモフ感が全然表現できなくて挫折を味わいました。
毛の感じ表現するとか…、無理やん…
幸いにも妹が美大卒なのでアドバイスをもらうと、
- ちゃんとした鉛筆買ったほうがいい
- 絵はもっと大きく描いたほうがいい
- 最初はおおざっぱに色を塗っていって、観察しながら陰をつけ足していって立体感を出していく
とのこと。
どうしても細かいところにこだわってしまって、大きく色を塗っていくことができない。壁にぶち当たっていました。
道具を揃えて気合い入れて描いてみる
ダイソーのデッサン鉛筆はありゃダメです。カッターで削っていると芯の部分が周りの木から離脱して出てきてしまいます。全然接着していない。まともに削れやしない。
なので専門店行って色んな硬さの鉛筆を揃えました。
そして、小さいものを大きく描けば細かいところまで表現できてリアリティが増すと思い、コーヒー豆をデッサンすることにしました。
また、デカく描こうとA3のスケッチブックを買ってきました。にしても画用紙って思ったよりも高いんですよね。24枚入り?のA3画用紙で900円くらい。紙って1枚10円以下の認識だったから驚きました。
空いた時間を使って3日かかって描きました。美大卒妹のアドバイスも結構もらって描いています。
描いていて思ったのが、「コーヒー豆なんて至近距離で見たことある人少ないのに、そんなものを描いてコーヒー豆って分かるか?」ということ。ちなみに2歳の娘に
これ何か分かる?
と聞いたら
なにこれ?つくえ?
と言ってました。
このことから、デッサンでは何を描くかが大切であることを学びました。単に自分が描きたいものを描いてもその知名度が低いと何描いてるか分からないんだ。
自分の左手をデッサンして調子乗る
今度は美大の試験でもよく課題になる手をデッサンしてみようと思いました。
スケッチ↑
白黒写真も撮って参考にしながら描きました。
ティッシュ等でこするとリアルな感じ出るから「擦っときゃいい」と安易に考えるようになりました。
この時は描いていて、人差し指にとても違和感を感じました。不自然に折れてるみたい。そしてシルエットを修正して描いたものがこれ↓
この時、シルエットが非常に重要であることを学びました。あと、違和感があれば何かが間違っているからちゃんと修正する必要があるんですね。
中指から小指もシルエットに違和感があったので修正↑
結構うまく出来たと思ったのですが、美大卒妹に見せると
- 中指から小指のクオリティが人差し指と違う
- 甲の骨や血管が、小枝を貼り付けたよう
と言われてしまいました。
そしてちょっと修正↓
これを見せると次は、
- しわを線で描いてるのがもったいない、しわには影もあるからその感じを出したほうが自然
と言われ、もう諦めました。
妻に見せると
人差し指だけリアルで、中指から小指は絵みたい
と言われたのでティッシュで擦りまくってみると、
ちょっとリアルな感じが出ました。
しかし擦る行為は美大卒妹曰く、せっかく描いた質感を台無しにする行為らしい。擦るのはあくまで補助的な役割で、全体を擦って仕上げてしまうと全部が同じぼやけた感じになってしまって、質感を壊してしまうと。
勉強になりました。
毛が表現できない…!迷走始まる
手のデッサンが結構うまくいったので調子乗って動物も上手に描けるだろうと思ったら撃沈しました。
どうやったら短い毛のふわふわ感って表現できるんだろうか…。
描ける気がしない。無理やんこんなん…
その後も海の水面を描こうとしてあまりに難しすぎて挫折。デッサンには描きやすいもの、描きにくいものがあることを身をもって体感しました。そしてどんどんデッサンがつまらなくなっていく。何のために描いてるのか虚しくなっていきました。
僕はいったい何を描きたいんだ…!
それから、娘の歯にフッ素を塗ってもらいに歯医者に行った時のこと。歯医者の待合室には絵画が飾ってあったのですが、それをよく見るとペン画と水彩画を合わせた風景画でした。僕は町並み(風景画)を描きたいと思ってデッサンの練習を始めたのもあるので、
これだ!
と衝撃を受けました。
さっそくペン画の本を2つ購入!
ですが、パラパラと見て思ったのは、
結局デッサン力ですやん…
ということ。
影・陰のペンの入れ方とか、そのものをそのものたらしめる質感の表現とか、どれを見てもデッサンに見えてしまう…。
結局のところ、デッサンを勉強しないと今の状態でペン画を始めても遠回りになってしまうように思えてなりません…。
救世主デッサン本を見つける
ペン画は少しもやらず、デッサンが学べる良書を探すことにしました。すると、おぉ!amazonのレビューを見ていると、「もっと早くからこの本に出合いたかった」などと書いてあるじゃないかー!
ペン画の本は適当にネットで買ったけど、今回ばかりは失敗したくなかったので、めちゃめちゃ品揃えが豊富な本屋に行ってお目当ての本を立ち読みし、本当に自分に必要か確かめて買いました。
それがこれ↓
「いちばんていねいな、基本のデッサン」はデッサンを描いていく時の順序が豊富な写真付きで説明されているので、何からどうやって描いていけばいいのか分からない初心者におすすめです。
僕は毎回デッサンを始める時にどう描き始めればいいのか、どんな順序で描き進めればいいのか分からず、ずっと迷いながら描いていたので時間がめちゃくちゃかかっていました。でもこの本のお陰で描く順番がわかり、視界が一気に開けた気がしています。今まで自分がデッサンで何をやっているのかイマイチ分からなかったのが、今は何を表現しようとしているのか作業の意味を理解して描いている感じです。
「鉛筆1本で何でも描ける マノ先生のリアル鉛筆デッサン」も描く順番が載っていて説明も丁寧なほうです。しかしそれよりも衝撃を受けたのがリアルさ。使っている紙が細目の画用紙(つるつる系)を使っているのでリアルな絵が描きやすいそうです。たまに「リアルな絵は写真と一緒。写真でいいじゃん」という意見がありますが、僕はリアルな絵を見ると感動します。
なんじゃこれー!掴めそうじゃん
って。心が動かされる絵っていいなって思います。デッサンのゴールはこのクオリティなのかなと思わせるものがあります。さらにほぼ2Bの鉛筆だけで表現していることにも衝撃。だってデッサンっていったらいろんな硬さの鉛筆を使い分けるのが当たり前だから。
本当はデッサンの本は1冊だけ買おうと思っていたのですが、「人によってデッサンのクオリティや進め方、考え方がこんなにも違うのか!」と衝撃を受け、2冊買っちまいました。
デッサンは疲れる
今はデッサンの本を参考に練習を重ねています。
自分ではまあまあ上達したなと思っても美大卒妹に見せるといくつも指摘が飛んできて自信を失います。そしてやる気もそがれます。落胆しすぎて脳が重く感じます。
ハァーーーーーー!!!!?
アドバイスのお陰で理解も深まるし、気付かされることも多いのでとてもありがたいのですが、抽象的で理解できないアドバイスを受けるとかなり腹が立ちます。
「回り込み」ってマジで意味がわからない。じゃあどうすればいいのかもっと具体的に教えてくれよ!
ネットで調べると、「回り込み」という抽象的なアドバイスはよくあるらしい。もう伝統並みに。でも初心者からすると意味がわからないんですよね。もっと初心者レベルまで下げた内容でアドバイスしてくれよ。
で、「回り込み」というのは単に立体感のことで、初心者はデッサンの色合いが薄くなりがち。もっと固有色や陰の部分を濃くして、濃淡の幅を増やすと立体感が出やすいことが分かりました。
強めに濃くしたのがこれ↑。思いっきり黒くしたほうがいいことを学びました。
ただこのリンゴを2歳娘に見せて
これ何かわかる?
と聞くと、
ん~、みかん?
と言われてしまいました。僕もみかんに見えるのでみかんです。
あと、白いものは立体感を出すのが難しい。紙パックは手前側をはっきり描くよう意識しました。
なぜだか岩石のように硬そうなたまご。
直近に描いたデッサンはマグカップ。
立体感を出すためにはグラデーションが大事であることが分かったので、グラデーションを意識しました。
美大卒妹にこれを見せると、
- 上の楕円がゆがんでる
- 取っ手の接着してるところがもっと暗くていい(写真の実物と比較して)
- コップの左側の背景との境目を鉛筆の線で処理してしまっている(線で描いときゃいい感が出てる)
- 反射光がなんか自然に見えない(反射光付近と影になってる面がなじんでない)
- 完成した後ちゃんと見比べた?
「なんか自然に見えない」「なじんでない」というわかりにくい説明、抽象的な説明はまぁいいとして、「完成した後ちゃんと見比べた?」は、3回も見比べて修正を重ねてたのでめちゃめちゃ腹立ちました。
ただ、1日経って見比べてみると本当に出来てない部分が多くて、そんな自分にもガッカリし、悔しく、腹が立ちました。
ネットで「デッサン つらい」で調べるほど落胆したよ
満々な自信が崩壊するのって精神的にくるんすわ。デッサンは修行だと思っているので耐えてこそ上手くなると考えてるけども、つらい。
このマグカップも1時間かけて大きさや輪郭など(あたり)を描いたら実物と見た印象が違って全部消して最初から書き直したし。時間を浪費してる感もつらい。
でも続けるよデッサン
少しずつ壁を壊してデッサンも分かってきたので、楽しいと思える部分もあります。なのでまだ続けようと思っています。
1ヶ月半デッサンをやって、もらったアドバイスや意識したほうがいいことを自分用にメモしておきます↓
- デッサンは大きい紙で練習する(細かいところもリアルに表現できる)
- 鉛筆はしっかり削って、側面で広範囲を塗れるようにしておく
- モチーフは単純な形がいい
- モチーフは魅力的な角度で描く
- モチーフがコーヒー豆くらいに小さいと観察が困難
- モチーフは誰でも知っているもののほうが、リアリティの判断がしやすい
- デッサンを描く時は視線を一定にする(そうしないとモチーフの比率などが狂う)
- 画用紙は正面から描けるように傾ける(テーブルなどに置いてしまうと錯覚などでパースが狂ったりする)
- デッサンとは光(影、陰)を描いて奥行き、存在感、立体感を表現するもの
- デッサンの進め方は、まずはあたりを描き、2Bくらいの鉛筆で濃淡をつけていく(2Bで表現できなくなる限界まで2Bで表現していく)。調子をつけていくことでどんどん迫力が増す
- 最初に2Bなど柔らかい鉛筆で描いていくことで、紙を傷つけず消しゴムによる修正がしやすい(H系の硬い鉛筆で描いてしまうと紙にあとがついて取り返しがつかなくなる)
- 目を細めたり、白黒写真を撮るとモチーフの濃淡(調子)がわかりやすい
- 接地面が一番暗い
- 接地面と反射光の面の輪郭ははっきり分かるようにする
- 反射光は明るくしがちだが、陰の面だから思い切って暗くしたほうがいい
- なぜ反射光が必要か?理由は、この世の物にはすべて反射光が当たっているから。もし反射光がないなら、それはただの平面状のイラストに過ぎない。デッサンではない。世の中に存在しないエラーな物
- モチーフの固有色は大事(濃い色のところはしっかり黒くする)
- 回り込みとは立体感、奥行きのこと
- 立体感を出すためには手前に見える部分を鉛筆を立てて細い線で表現し、はっきり見えてる感を出し、奥はティッシュで擦ったりH系の鉛筆で紙の目をつぶすと良い。また、反射光や陰と光の間のグラデーションも自然に見せるのに大事
- グラデーション大事だから最初から濃くしすぎないほうがいいかも。丁寧に!
- 光の当たり具合や陰のグラデーションによって、その物の形(円柱や直方体など)は表現されている。例えば球体の反射光はカーブにそってグラデーションがある。グラデーションの度合いによってカーブ具合いも変わる。直方体とかだと面ごとに明るさがはっきり目に違って稜線にグラデーションはない
- 影や物体を塗る時は輪郭からはみ出すように描く。そのほうがムラができにくい。はみ出たところはあとから丁寧にねり消し等で消せばいい
リアルな絵が描けるように修行じゃい!